牛乳による下痢 乳糖不耐症について
牛乳は栄養価が高く、世界中で広く消費されていますが、健康への影響は利用者の体質や健康状態によって異なるため、様々な議論が存在します。デメリットとして知られている乳糖不耐症は、乳製品を消化する際に不快な症状を引き起こします。乳糖という糖を分解する酵素であるラクターゼが不足しているために生じます。今回の浅川クリニックのブログでは、乳糖不耐症の原因、症状、および日常生活での管理方法について解説します。
牛乳のメリット
高い栄養価
カルシウム、ビタミンD、リン、マグネシウム、タンパク質など、多くの重要な栄養素を含んでおり、これらは骨の健康を支え、成長と修復を助けます。
骨の健康
牛乳のカルシウムとビタミンDは骨の密度を高め、骨粗しょう症のリスクを減少させるのに役立ちます。特に成長期の子供や高齢者にとって重要です。
心血管の健康
牛乳に含まれるカリウムは血圧を下げる効果があり、心血管疾患のリスクを減少させることが示されています。
筋肉の構築と修復
牛乳のタンパク質は筋肉の構築と修復に重要で、スポーツ後の回復飲料としても推奨されています。
牛乳のデメリット
乳糖不耐症
牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素が不足している人は、牛乳を消化しきれず、腹痛、ガス、下痢などの消化不良の症状を引き起こす可能性があります。
アレルギー
主に幼児に見られ、牛乳のタンパク質に対する免疫反応によって発症します。重篤な場合、アナフィラキシーを引き起こすこともあります。
乳糖不耐症の原因
体内でのラクターゼの生成が不十分であることが原因です。ラクターゼは小腸で生成され、摂取した乳糖を単純な糖に分解します。この酵素が不足すると、乳糖は消化されずに大腸に到達し、そこで細菌によって分解される際にガスや他の副産物を生成し、不快な症状を引き起こします。
西洋人と異なり、日本人の多くが乳糖を分解するためのラクターゼ活性が低下していることが指摘されています。多くの方は過剰の牛乳を摂取しない限りおなかの症状は出現しませんが、少量でも症状が出やすい方もいます。
乳糖不耐症の症状
腹痛
膨満感
ガス
下痢
ときに吐き気
乳糖不耐症の管理
乳糖の摂取量を制限する
可能なら乳製品の摂取を減らすか、乳糖フリーの代替品を選ぶことを優先します。
ラクターゼ補助剤の使用
食事前にラクターゼ酵素のサプリメントを摂取することで、乳糖の消化を助けます。処方薬にもラクターゼ酵素はありますが適応が小児や経管栄養(胃ろうなど)を使用している方となります。
乳糖含有食品の識別
ラベルを注意深く読み、隠れた乳糖源を避けることも大切です。
まとめ
乳糖不耐症は適切な対策を講じることで管理可能です。自分の体がどのように反応するかを理解し、必要に応じて医師や栄養士と相談しながら、適切な食生活の調整を行うことが大切です。日々の食事選びに注意を払うことで、乳糖不耐症による不快な症状を避け、健康的な生活を送ることができます。
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