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α-リポ酸の効果とは?内科のクリニック視点で解説

  • 執筆者の写真: 貴介 浅川
    貴介 浅川
  • 2 日前
  • 読了時間: 6分

近年、健康や美容の分野で注目を集めている成分のひとつに「α-リポ酸(アルファリポ酸)」があります。これは体内で自然に生成される成分であり、強力な抗酸化作用を持つことから、多くの健康効果が期待されています。抗酸化作用とは体内で悪さをする活性酸素をやっつける力のことです。今回の浅川クリニックのブログでは、α-リポ酸の主な効果や、美容医療の現場でどのように活用されているのかについて解説します。


目次

活性酸素とは?

活性酸素の影響

抗酸化作用とは?

α-リポ酸とは?

α-リポ酸の主な効果

α-リポ酸とビタミンCの比較

α-リポ酸の摂取方法

α-リポ酸の注意点

まとめ



α-リポ酸


活性酸素とは?


活性酸素とは、酸素が代謝される過程で生じる不安定な分子の総称です。体内の免疫機能の一部として細菌やウイルスを攻撃する働きを持っています。過剰に発生すると正常な細胞を傷つけ、さまざまな健康への悪影響を引き起こす原因となります。

活性酸素には、スーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素、過酸化水素などの種類があり、それぞれ異なる作用を持ちます。特にヒドロキシルラジカルは強い酸化力を持ち、細胞膜やDNAを攻撃することで老化や病気の進行を促すとされています。




活性酸素の影響


細胞の損傷

細胞膜やDNAを攻撃し、細胞の機能低下や変異を引き起こします。これにより、老化が加速し、さまざまな病気のリスクが高まります。


生活習慣病の原因

過剰な活性酸素は、動脈硬化を引き起こし、高血圧、心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高めます。また、糖尿病の進行にも関与し、インスリンの働きを妨げる可能性があります。


炎症の悪化

慢性的な炎症は、多くの疾患の原因となります。活性酸素が増えると炎症が悪化し、関節リウマチや自己免疫疾患の症状を悪化させることがあります。


神経障害や認知症のリスク増加

活性酸素は神経細胞にも影響を及ぼし、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患の発症リスクを高める可能性があります。


皮膚老化の促進

紫外線などの影響で発生する活性酸素は、肌のコラーゲンやエラスチンを破壊し、シワやたるみの原因となります。シミやくすみの原因にもなり、美容の面でも悪影響を与えます。




抗酸化作用とは?


抗酸化作用とは、体内で発生する活性酸素を除去し、細胞の酸化(ダメージ)を防ぐ働きのことを指します。活性酸素は、ストレス、不規則な生活、紫外線、喫煙、大気汚染などの要因によって増加し、細胞を傷つけることで老化や生活習慣病の原因となります。


抗酸化作用を持つ成分には、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、カロテノイドなどがあり、それぞれ異なるメカニズムで活性酸素を中和します。その中でも、α-リポ酸は水溶性・脂溶性の両方の性質を持つため、体内の広範囲で強力な抗酸化作用を発揮する特徴があります。




α-リポ酸とは?


α-リポ酸は、脂溶性と水溶性の両方の性質を持つユニークな抗酸化物質です。このため、体内のさまざまな部位で作用することができます。体内では少量しか生成されないため、サプリメントや食品からの補給が重要とされています。




α-リポ酸の主な効果


強力な抗酸化作用

α-リポ酸は、細胞を酸化ストレスから保護する働きがあります。活性酸素を除去することで、老化の進行を遅らせる可能性があります。


糖尿病と血糖コントロールの改善

α-リポ酸は、インスリンの働きを助け、血糖値を安定させる可能性があります。そのため、糖尿病患者の血糖コントロールをサポートする成分として研究されています。


神経障害の改善

糖尿病性神経障害(末梢神経障害)に対する効果が報告されています。ドイツではα-リポ酸が糖尿病性神経障害の治療薬として承認されており、しびれや痛みの軽減が期待されています。


美容・アンチエイジング効果

α-リポ酸はコラーゲンの生成を促進し、肌の弾力を保つのに役立ちます。また、シミやくすみの予防にも寄与すると考えられています。


エネルギー代謝の促進

ミトコンドリアのエネルギー産生をサポートし、疲労回復やダイエットにも役立つ可能性があります。



ビタミンC


α-リポ酸とビタミンCの比較

抗酸化物質として広く知られているビタミンCとα-リポ酸には、それぞれ異なる特徴があります。

特性

α-リポ酸

ビタミンC

溶解性

脂溶性・水溶性の両方

水溶性

体内での再生能力

酸化された他の抗酸化物質(ビタミンC、Eなど)を再生可能

自身の抗酸化能力は強いが、他の抗酸化物質の再生能力は低い

細胞内・外の働き

細胞膜を超えて作用し、幅広い範囲で活性酸素を除去

細胞外で主に働き、血液中や細胞間の酸化ストレスを軽減

追加の効果

エネルギー代謝の促進、神経保護、血糖コントロールの補助

免疫力向上、コラーゲン生成促進、美白作用

このように、α-リポ酸はビタミンCと比べてより広範囲での抗酸化作用を発揮し、酸化された他の抗酸化物質を再生する力も持っています。一方で、ビタミンCは免疫力の強化や美肌効果にも優れています。両者をバランスよく摂取することで、より効果的な抗酸化対策が可能になります。




α-リポ酸の摂取方法


食品

α-リポ酸は、レバー、ほうれん草、ブロッコリーなどに含まれていますが、食品からの摂取量は限られています。


サプリメント

サプリメントとして摂取することで、より効率的にα-リポ酸を補うことができます。ただし、適切な摂取量を守ることが重要です。


注射や点滴

浅川クリニックでは、グルタチオンやビタミンCとの併用でα-リポ酸を点滴しています。

糖尿病性神経障害の治療目的に一部クリニックでは施行されている例もあるようです。αリポ酸は美容や慢性疲労の改善目的で使用されることが多いです。




α-リポ酸の注意点


α-リポ酸の過剰摂取は、低血糖症状を引き起こす可能性があります。また、胃腸の不調やアレルギー反応が起こることもあるため、医師と相談しながら摂取することが望ましいです。




まとめ


α-リポ酸は、抗酸化作用、神経保護、美容効果など、多くの健康効果が期待される成分です。しかし、適切な摂取方法や注意点を理解し、安全に活用することが大切です。健康維持にα-リポ酸を取り入れたい方は、ぜひ当院に相談してみてください。

浅川クリニックでは、α-リポ酸点滴療法やサプリメントの活用についてのご相談を受け付けています。気になる方は、お気軽にお問い合わせください。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8


-リポ酸

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