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風邪と熱中症、症状が似ている?見分け方と対処法

  • 執筆者の写真: 貴介 浅川
    貴介 浅川
  • 7月4日
  • 読了時間: 4分

更新日:4 日前

梅雨明けから夏本番にかけて、「なんだか熱っぽくてだるい」「頭が痛いし、微熱もある」…そんな症状を訴える方が多くいらっしゃいます。

このような時、「風邪かな?」「でも、もしかして熱中症?」と迷う方も多いのではないでしょうか。今回は、風邪と熱中症の違いと正しい対処法についてご紹介します。


風邪と熱中症

風邪と熱中症の違いとは?

特徴

風邪

熱中症

原因

ウイルス感染

高温・多湿による体温調節の失調

発熱

徐々に上がる(微熱〜高熱)

急激に体温上昇(38℃以上も)

のどの痛み

よくある

ないことが多い

咳・鼻水

あり

ほとんど見られない

発汗

あるが、通常レベル

異常な汗(大量 or 全く出ない)

意識障害

基本なし

重症時に意識もうろう

吐き気・頭痛

あることも

頻度高い

回復までの経過

3〜7日で回復

適切な処置で比較的早く回復




見分けるポイントは?


のどの痛み・鼻水・咳がある → 風邪の可能性が高い

炎天下にいた/スポーツをした後から急に体調不良 → 熱中症を疑う

体が熱いのに汗をかいていない → 危険な熱中症のサイン

水分をとっても回復しない・意識がぼんやり → 医療機関へ


熱帯夜の熱中症

ワンポイントアドバイス①

「熱中症は夜間にも起きます」


2024年の厚生労働省の調査では、熱中症の約1割が屋内かつ夜間に発症していることが報告されています。特に高齢者は体温調節機能が低下しているため、就寝中もエアコンを適切に使用することが重要です。室温は28℃以下、湿度は60%以下が目安です。

一方で、「クーラーの使いすぎ」にも注意が必要です。冷風を長時間浴び続けることで、のどの粘膜が乾燥しやすくなり、咽頭炎や風邪を引き起こす原因になることがあります。


  • 風が直接体に当たらないように風向きを調整する

  • 寝るときは「おやすみモード」や「タイマー機能」を活用する

  • 加湿器を併用するか、水を入れたコップを枕元に置くことで乾燥対策

  • 室温が下がりすぎないよう、26〜28℃を目安に調整する


熱中症予防のためにエアコンは欠かせませんが、上手に使ってのど風邪を防ぐことも大切です。冷やしすぎず、乾燥を避けて快適な環境を心がけましょう。




ワンポイントアドバイス②

「風邪と熱中症が合併することもあります」


夜更かし・深酒などバッドコンディションのまま朝を迎えると風邪も熱中症もかかりやすくなります。また、風邪をひいた状態で暑さにさらされると、熱中症を併発することがあります。特に子どもや高齢者、基礎疾患(生活習慣病・アトピー性皮膚炎・メンタルヘルス不調など)のある方では注意が必要です。

ウイルス感染によって体温がすでに高い状態で脱水が進むと、体温調節がさらに乱れて熱中症を引き起こしやすくなります。このような場合、発熱・のどの痛み・咳といった風邪症状に加えて、めまい・倦怠感・汗の異常などが見られることがあります。

このような重なった症状があるときは「単なる風邪」と思い込まず、すぐに医療機関を受診してください。




まとめ


風邪はウイルスによる感染症で、のどの痛みや咳、鼻水といった症状が見られます。一方、熱中症は高温・多湿な環境によって体温調節がうまくいかなくなることで起こり、めまいや異常な発汗、意識障害などを伴うことがあります。

この2つは原因も症状も異なりますが、夏場には風邪と熱中症が同時に起こることもあるため、単なる体調不良と自己判断せずに注意が必要です。また、熱中症は室内や夜間にも発症することがあるため、冷房や水分補給を適切に行うことが重要です。


「風邪か熱中症かわからない」「症状が重なっている気がする」と感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。浅川クリニックでは、皆さまの体調に応じた的確な診察とアドバイスを行っていますので、お気軽にご相談ください。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8


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