風邪をひいたときのタバコはNG?内科医が解説
- 浅川貴介 | 浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士

- 22 時間前
- 読了時間: 4分
風邪をひいたときに「タバコを吸ってもいいの?」と気になる方もいるかもしれません。喫煙習慣のある方にとって、体調が悪くてもタバコを吸いたくなる気持ちはよくわかります。しかし、風邪のときにタバコを吸うことは、症状を悪化させる可能性が高いため、できるだけ控えるのが望ましいです。今回の浅川クリニックのブログでは、風邪とタバコの関係について内科医の視点から解説します。

タバコが風邪に与える影響
気道の炎症を悪化させる
タバコの煙には有害物質が多く含まれており、気道の粘膜を直接刺激します。風邪をひくと、喉や鼻の粘膜が炎症を起こして腫れている状態です。この状態で喫煙を続けると、炎症が悪化し、咳やのどの痛みが長引く原因になります。
免疫力の低下
タバコに含まれるニコチンは血流を悪化させ、免疫細胞の働きを弱めるといわれています。風邪の回復には免疫力が重要ですが、喫煙によってその働きが低下し、風邪が治るまでの期間が長くなる可能性があります。
痰(たん)が増えて咳が止まりにくくなる
タバコを吸うと、肺や気道の防御機能が低下し、痰が増えやすくなります。風邪をひくと、もともと痰が出やすい状態になっていますが、喫煙によってさらに痰が増え、咳が止まりにくくなることがあります。
肺炎や気管支炎を引き起こすリスクが高まる
風邪をこじらせてしまうと、気管支炎や肺炎につながることがあります。特に喫煙者は、タバコの影響で肺や気道の防御機能が低下しているため、感染症が悪化しやすく、重症化するリスクが高まります。
脱水症状が悪化しやすくなる
タバコに含まれるニコチンには、喉の渇きを感じにくくさせる作用があります。通常、風邪をひくと発熱や発汗、鼻水などによって体内の水分が失われやすく、こまめな水分補給が必要です。しかし、喫煙によって喉の渇きを感じにくくなると、水分摂取が不足し、脱水症状が悪化する可能性があります。脱水状態が続くと、体の回復が遅れたり、症状が長引く原因になるため、特に注意が必要です。

アルコールとカラオケでさらに悪化
風邪をひいているときにタバコに加えてアルコールを飲んだり、カラオケをすると、さらに症状が悪化する可能性があります。
アルコールの影響
アルコールには利尿作用があり、体内の水分を奪うため、脱水をさらに進行させる可能性があります。また、肝臓がアルコールの分解にエネルギーを使うため、免疫機能が低下し、風邪の回復が遅れることもあります。元気になろうとエナジードリンク入りのアルコールを摂取すると利尿効果が強まりさらに脱水のリスクが高まります。
カラオケの影響
風邪のときにカラオケをすると、大きな声を出すことで喉に負担がかかり、炎症がさらに悪化するリスクがあります。カラオケはそれなりにカロリーを消費し、体力を消耗しやすくなります。また、人が多い環境ではウイルスを他人にうつしたり、新たな感染症にかかる可能性も高まります。
風邪をひいたときにタバコをやめられない方へ
「わかっているけど、タバコをやめられない…」という方も多いでしょう。そんな方は、以下の対策を試してみてください。
✅ ニコチンガムや禁煙パッチを活用する
✅ 温かい飲み物をこまめに摂る
✅ ベッドのある部屋から出ない
✅ とにかく目を閉じて床にいる
風邪をきっかけに禁煙を考えるのも良いかもしれません。特に、風邪をひくたびに「喉が痛い」「咳が止まらない」と感じる方は、タバコが症状を悪化させている可能性があります。
1日でもタバコを止めることができたら、禁煙を継続できる可能性も高くなります。
まとめ
風邪のときにタバコを吸うと、気道の炎症が悪化し、咳や喉の痛みが長引く原因になります。また、免疫力が低下して風邪の治りが遅くなるリスクもあるため、できるだけ控えることをおすすめします。さらに、ニコチンによって喉の渇きを感じにくくなり、脱水症状が悪化する可能性もあるため、十分な水分補給を意識することが大切です。加えて、アルコールの摂取やカラオケは風邪を悪化させる要因となるため、控えることを強くおすすめします。
風邪を早く治すためにも、タバコやアルコール、カラオケはできるだけ控えて、しっかりと休養をとりましょう!
浅川クリニック 内科・世田谷
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