鼠径ヘルニア、放っておいて大丈夫?
- 浅川貴介 | 浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士

- 2025年10月31日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年10月31日
「なんだか足のつけ根がポコッと膨らんでるけど、痛くないし様子を見ていていいのかな…」という方も多いのではないでしょうか?結論から言えば、鼠径ヘルニアは自然には治らない病気です。放置することで命にかかわることもあるため、注意が必要です。今回の浅川クリニックのブログでは、「鼠径(そけい)ヘルニア」、いわゆる“脱腸”について詳しく解説いたします。

鼠径ヘルニアとは?
鼠径ヘルニアとは、腸や脂肪の一部が鼠径部(足のつけ根)の筋膜のすき間から飛び出してしまう病気で、見た目には「足のつけ根のふくらみ」として現れます。立ったときや力んだときにふくらみが目立ち、寝ると引っ込むのが特徴です。
男性に多く、加齢・運動不足・慢性的な便秘や咳・重い物を持つ習慣などがリスク因子となります。
放っておくとどうなる?
「痛くないから放っておいていいのでは?」と思われがちですが、ヘルニアは時間とともに悪化する傾向があります。
特に怖いのが「嵌頓(かんとん)」という状態です。これは、飛び出た腸が元に戻らず締め付けられてしまい、血流が途絶えることで腸が壊死してしまう緊急事態です。
放置によるリスク
強い痛み
嘔吐、発熱
腸閉塞、腸壊死
緊急手術が必要になることも
このような状態になる前に、早めの受診と治療が大切です。
治療方法について
鼠径ヘルニアの根本的な治療は手術です。現在は手術の方法も進化し、日帰り手術や腹腔鏡手術も可能となっています。
主な手術方法
メッシュ法(従来法)
飛び出した腸を戻し、メッシュで補強。
腹腔鏡手術(低侵襲)
小さな切開で体への負担が少ない。
手術は1時間程度で終わることが多く、痛みもコントロールできるため、多くの方が術後すぐに日常生活に戻られている印象です。

ワンポイントアドバイス
鼠径ヘルニアと動脈瘤の意外な関係
鼠径ヘルニアと動脈瘤は一見無関係に思われるかもしれませんが、実は共通の背景を持つことが知られています。
腹部大動脈瘤(AAA)と鼠径ヘルニアの両方に、コラーゲン代謝異常や結合組織の脆弱性が関与しているとされています。これらの状態では、腹壁や血管壁の強度が低下し、鼠径ヘルニアや動脈瘤の発症リスクが高まる可能性があります。 腹部大動脈瘤患者の約19〜41%が鼠径ヘルニアを合併していたとの報告もあります。
鼠径ヘルニアを患っており、特に高齢者や喫煙歴のある方は、定期的な検診を受けることで早期発見・早期治療につながります。
まとめ
鼠径ヘルニアは自然には治りません。
放置すると腸閉塞や壊死のリスクがあります。
鼠径ヘルニアは、症状が軽いうちに診断・治療することが大切です。膨らみや違和感に気づいた時点で、どうぞお気軽に浅川クリニックまでご相談ください。浅川クリニックでは、患者さん一人ひとりの症状やご希望に寄り添い、最適な道筋を提案します。
浅川クリニック 内科・世田谷
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