top of page

インフルエンザAとB、何が違う?

  • 執筆者の写真: 浅川貴介 |  浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士
    浅川貴介 | 浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士
  • 5 日前
  • 読了時間: 5分

冬になると流行するインフルエンザ。診断時に「A型でした」「B型ですね」と説明を受けても、「結局、何が違うの?」と感じたままの方も多いのではないでしょうか。

インフルエンザウイルスにはいくつかの種類がありますが、毎年流行の中心となるのはA型とB型です。C型というウイルスも存在しますが、症状は比較的軽く、流行も限定的なため、日常診療で問題になることはほとんどありません。今回の浅川クリニック世田谷のブログでは、インフルエンザA型とB型の違いを中心に、検査や治療の注意点、子どもや高齢者で気をつけたいポイントについて、できるだけ分かりやすく解説します。


インフルエンザA型

インフルエンザA型の特徴


インフルエンザA型は変異しやすく、流行力が非常に強いことが特徴です。そのため、毎年冬になると一気に広がり、時に世界的な流行の原因にもなります。

症状は突然始まることが多く、38度以上の高熱、強い倦怠感、関節痛や筋肉痛など、全身に一気に症状が出る印象があります。「朝は普通だったのに、夕方から急に動けなくなった」という経過は、A型に典型的です。


インフルエンザB

インフルエンザB型の特徴


一方、インフルエンザB型は、A型に比べて変異が少なく、流行のスピードもやや穏やかです。流行のピークがA型より遅れて訪れることも多く、学校や家庭内でじわじわ広がる傾向があります。

高熱が出ることはありますが、A型ほど急激ではなく、比較的ゆっくり症状が進むケースが目立ちます。また、特に小児では腹痛や下痢などの胃腸症状を伴うこともあります。




大人と子どもで症状は違う?


インフルエンザは同じウイルスでも、大人と子どもでは症状の現れ方が異なります。

大人では、高熱や強い倦怠感、関節痛・筋肉痛といった全身症状が前面に出ることが多く、「とにかくつらい」「動けない」という訴えが目立ちます。一方で、解熱後は比較的スムーズに回復していくケースも少なくありません。

子どもでは、発熱に加えて咳や鼻水などの呼吸器症状、腹痛や下痢、嘔吐といった胃腸症状が目立つことがあります。また、ぐったりする、食事や水分がとれない、反応が鈍いといった変化は、大人以上に注意が必要なサインです。




検査のタイミングに注意が必要です


インフルエンザの迅速検査は非常に便利ですが、発熱してすぐのタイミングでは正確性が十分でないことがあります。

一般的に、発症や発熱から12時間程度以上経過しないと、ウイルス量が十分に増えず、偽陰性(本当はインフルエンザなのに陰性と出る)になることがあります。そのため、症状や流行状況からインフルエンザが強く疑われる場合、検査結果だけで完全に否定できないケースもあります。




抗インフルエンザ薬について知っておいてほしいこと


抗インフルエンザ薬の中でも、ゾフルーザは「1回の内服で治療が完結する」という点で非常に便利な薬です。服薬管理が難しい方や忙しい方にとっては、大きなメリットがあります。

一方で、小児では鼻出血などの副作用が報告されていることや、使用状況によっては耐性ウイルスが問題になる可能性が指摘されています。そのため、年齢や病状に応じて、他の薬剤を含め慎重に選択する必要があります。




10代の異常行動とインフルエンザ


かつては、10代で見られる異常行動が抗インフルエンザ薬の影響ではないかと考えられていた時期がありました。しかし現在では、薬そのものよりも、インフルエンザによる高熱や中枢神経への影響が主なリスクと考えられています。

そのため、治療薬の有無にかかわらず、高熱時の様子の変化や異常行動には注意が必要であり、周囲の大人がしっかり見守ることが重要です。




高齢者で特に注意したい「二次感染」


高齢者では、インフルエンザそのものよりも、その後に起こる二次性細菌感染が重症化の原因になることがあります。特に肺炎は注意が必要で、熱が下がった後に再び発熱したり、咳や息切れが悪化したりする場合は、早めの再受診が重要です。




解熱鎮痛薬の使い方にも注意が必要です


よく使われるロキソニンなどの痛み止め(NSAIDs)については、過去に「インフルエンザ脳症との関係があるのではないか」と言われたことがあります。ただし、はっきりと「この薬が原因」と証明されたわけではありません。高熱で症状が重い人ほど、解熱薬が使われやすかった可能性もあるためです。

そのため現在では、特に子どもでは、より安全性の高いアセトアミノフェンを使うという考え方が一般的です。日本の医療の現場でも、インフルエンザの発熱に対しては、まずアセトアミノフェンを選ぶことが勧められています。

大人の場合、ロキソニンがすぐに使えなくなるわけではありませんが、熱が高いときや水分が足りていないとき、高齢の方や腎臓に持病がある方では、体に負担がかかることがあります。そのため、状況によっては使い分けが必要です。

熱さましは「よく効く薬を選べばいい」というものではありません。年齢や体の状態によって、適した薬は変わります。市販薬を自己判断で使うのではなく、医師の指示に従って使用することが大切です。



インフルエンザAとB

まとめ


インフルエンザは型の違いだけでなく、年齢、基礎疾患、発症からの時間、治療薬の選択など、さまざまな要素を考慮して対応する必要があります。検査や治療にはそれぞれ注意点があり、「早めに正しく対応すること」が重症化予防につながります。

発熱や体調不良が続く場合、判断に迷うときは、無理をせず 浅川クリニック世田谷 までお気軽にご相談ください。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8


コメント

5つ星のうち0と評価されています。
まだ評価がありません

評価を追加
bottom of page