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風邪に加湿が効く理由

  • 執筆者の写真: 浅川貴介 |  浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士
    浅川貴介 | 浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士
  • 3 日前
  • 読了時間: 4分

更新日:1 日前

冬になると「加湿が大事」とよく言われます。実は加湿は 粘膜を守る医学的な効果 と 空気中のウイルスを減らす物理的な効果 の両方から風邪予防に役立つことが分かっています。

今回の浅川クリニックのブログは、なぜ加湿が風邪に効くのか、そして「冬にウイルスが流行する理由」までわかりやすく解説します。


風邪に加湿器

ウイルスは単体で空気を漂っているわけではない

多くの人が「ウイルスが単体の粒子で空中に浮いている」とイメージしがちですが、実際には ほとんどが他の微粒子と“塊”になって漂っています。


● 人の皮膚片(フケ)

● 衣類の繊維くず

● ハウスダスト

● 花粉の微細片

● 咳や会話で飛び散る微小飛沫


こうした微粒子が、ウイルスにとっての“乗り物”になります。乾燥した空気ではこれらが非常に軽くなり、数時間にわたり空気中を漂ってしまう ため感染リスクが高まります。




湿度があると空気中のウイルス量が減る理由

湿度が40〜60%に保たれると、微粒子に水分が付着し、重くなって床へ落ちやすくなります。


● 空気中への浮遊時間が短くなる

● 吸い込むリスクが低減する

● 部屋の中でウイルス濃度が下がる


この「物理的な落下促進」が、冬の風邪予防に非常に有効です。




粘膜のバリア機能を守る効果

加湿には、のどや鼻の粘膜を乾燥から守る医学的なメリットもあります。


乾燥すると…

● 粘膜の繊毛運動の低下

● バリア機能の低下

● ウイルスが侵入しやすくなる


適度な湿度(40〜60%)を保つと粘膜が潤い、身体が本来持つ防御力が最も発揮されます。




では、なぜ夏にもウイルスが流行するの?

冬は乾燥でウイルスが浮遊しやすくなります。では、湿度が高い夏でも 夏風邪(アデノ・エンテロ・RSなど) が流行するのはなぜでしょうか?

理由は 流行するウイルスの種類が冬とまったく違う からです。


夏のウイルスは“湿気に強い”構造を持つ

アデノウイルスやエンテロウイルスなど、夏に流行するタイプは外側に「脂質膜(エンベロープ)」を持たない構造=ノンエンベロープ型で、湿度・熱に強く、環境中で安定しやすい という特徴があります。

冬のインフルエンザやコロナとは、ウイルス自体の性質がまったく異なります。


人の行動の違いも夏ウイルス流行に影響

夏には、ウイルスが広がりやすい行動や環境があります。


● 保育園・学校・プールなどでの集団行動

● 夏祭り・イベントなど人が密集する機会が多い

● 冷房の風で局所的に湿度が30〜40%と低下する

● プール熱のように水を介して感染しやすいウイルスがある


つまり 夏の流行は湿気とは関係なく、“ウイルスの種類+行動様式” で起こる のです。




冬の風邪対策としての加湿の重要性

冬の風邪予防には、やはり加湿が非常に有効です。


● 空気中のウイルスを落下させる

● 粘膜のバリア機能を守る

● のどの痛み・咳の軽減につながる


湿度40〜60%を目安に調整すると、最も効果的です。


加湿器のお手入れが大切

加湿器を使うときの注意点

加湿の効果を最大限にするために、いくつかのポイントがあります。


● タンクの水は毎日交換し、継ぎ足しはしない

● タンク内は毎日洗い、ぬめりを防ぐ

● 週に1回はしっかり除菌

● 湿度が60%を超えないよう注意(カビ・ダニ増殖の原因)

● 換気と加湿をセットで行う


清潔な加湿が、最も安全で効果的です。




加湿器がないときの簡易的な加湿方法

加湿器がなくても、簡単に湿度を上げる方法があります。


● 濡れタオルを部屋に干す

● 室内に洗濯物を干す

● 観葉植物を置く

● お湯を張った容器を置く(小さなお子さんのいるご家庭では注意)




まとめ

加湿は、「空気中のウイルスを減らす物理的効果」 と「粘膜の防御力を高める医学的効果」の両方を持つ、冬の風邪予防の基本対策です。

ただし夏は、湿度ではなく ウイルスの種類や人の行動 により流行が起こります。季節に合わせた対策で、風邪の予防を強化しましょう。

風邪症状が長引く場合や、のど・咳が辛いときは浅川クリニックまでお気軽にご相談ください。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8


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