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トランサミンの塗り薬(外用薬)はシミに効くの?

  • 執筆者の写真: 浅川貴介 |  浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士
    浅川貴介 | 浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士
  • 18 時間前
  • 読了時間: 6分

「風邪薬みたいな薬」がなぜ美白に使われるのかを医師が解説


トランサミン 外用 シミ

「トランサミンって風邪の時に出る薬じゃないの?」

実はこれ、外来ではかなりよく聞かれる質問です。

確かに、トランサミン(トラネキサム酸)は昔から、のどの炎症や口内炎、扁桃炎などで使われてきた薬です。そのため、「シミの薬」と言われてもピンと来ない方は少なくありません。

でも実は、トランサミンは炎症を抑える薬です。そして肝斑(かんぱん)などのシミは、「炎症」とかなり関係しています。

今回の浅川クリニックのブログでは、トランサミン外用薬についてなるべくわかりやすく解説します。




シミは「メラニン」だけの問題ではない


シミというと、「黒いものが皮膚に沈着している」イメージを持つ方が多いと思います。

もちろん間違いではありません。

ただ、特に肝斑では、「肌に刺激や炎症が続く → メラニンが増える」という流れがかなり重要です。

例えば、紫外線、摩擦、マスクのこすれ、強い洗顔、肌荒れなどの刺激が続くと、肌は「炎症モード」になります。

特に紫外線は、シミ治療の最大の敵と言っても過言ではありません。

紫外線を浴びると、肌は「これ以上ダメージを受けないようにしよう」としてメラニンを増やします。

つまり、シミを薄くしたいのに、紫外線で新たなメラニンが作られてしまうのです。

そのため、トランサミンを使っていても、日焼け対策をしないと効果が出にくくなることがあります。




トランサミンは火事を小さくする薬に近い


ここでトランサミンが出てきます。

トランサミンは、簡単に言うと、「炎症の火事を小さくする薬」のようなイメージです。

火事が大きいと煙も増えます。肌も同じで、炎症が強いとメラニンが増えます。

だから、「炎症を少し落ち着かせる → シミが悪化しにくくなる」という方向で使われるのです。

つまり、ハイドロキノンのようにシミを漂白する薬というより、シミが悪化する流れを弱める薬に近いイメージです。

ただし、火事を小さくしても、そこに紫外線という追加の燃料が入り続けると、なかなか改善しません。そのため、トランサミン外用でも紫外線対策はかなり重要です。




ハイドロキノンとは結構違う


シミ治療で有名なのがハイドロキノンです。

こちらはかなり攻める薬です。メラニンを減らす力は強めで、「シミを薄くしたい」という時に使われることが多いです。

その代わり、赤くなる、ヒリヒリする、皮むけするなど、刺激が出ることがあります。肌が弱い方だと続けにくいこともあります。


一方、トランサミン外用はもっとマイルドです。

「じわじわ悪化しにくくする」方向の薬なので、ハイドロキノンほどの即効性はありません。

ただ、その分刺激は比較的少なめです。

実際には、「ハイドロキノンだけ」ではなく、「トランサミンで炎症を抑えながら、ハイドロキノンも使う」という組み合わせをすることもあります。




トランサミンの飲み薬と塗り薬は何が違う?


トランサミンは飲み薬も有名です。

肝斑治療では内服を使うことが多いです。

内服は全身に作用するため、効果を感じやすい方もいます。

ただし、まれですが、血栓、吐き気、動悸などに注意が必要なことがあります。

特に、ピルを飲んでいる方、血栓症の既往がある方、喫煙量が多い方などでは慎重に考えることがあります。

その点、塗り薬は皮膚に局所的に使うため、全身への影響はかなり少なめです。

「飲み薬はちょっと不安」という方でも使いやすいのが外用薬のメリットです。

ただし、塗り薬だから紫外線を気にしなくていいわけではありません。

シミ治療では、「薬」より「紫外線対策」が大事になることも珍しくありません。




ローションよりクリームがおすすめな理由


トランサミン外用には、ローションとクリームがあります。

浅川クリニックとしては、基本的にはクリームの方が使いやすいと考えています。

理由は単純で、「刺激が少なくなりやすい」からです。

肝斑は、こすれる・乾燥するだけでも悪化することがあります。

ローションはサラサラしていて使いやすい反面、乾燥しやすいことがあります。

クリームは肌を保護しやすく、保湿もしやすいため、肝斑と相性が良いことが多い印象です。

また、肌のバリア機能を保つことは、紫外線ダメージを減らす意味でも重要です。

もちろん、「ベタつくのが苦手」という方にはローションが合うこともあります。

ただ、迷ったらまずはクリーム系から始めることが多いです。




シミ治療で一番大事なのは紫外線と摩擦を減らすこと


これは本当に重要です。

高い薬を使っていても、ゴシゴシ洗顔、強いクレンジング、長時間の日焼け、肌を触るクセなどがあると、肝斑は悪化しやすくなります。

特に、「薬を塗っているから大丈夫」と思って紫外線対策が甘くなると、なかなか改善しません。

シミ治療は、「どの薬を使うか」だけではなく、「肌に余計な刺激を与えない」ことがかなり大切です。




浅川クリニックとしての考え


トランサミン外用薬は、「一気にシミを消す薬」というより、「肌の炎症を落ち着かせながら、シミが悪化しにくい状態を作る薬」というイメージです。

特に、肌が敏感な方、ハイドロキノンが刺激になった方、肝斑っぽい方、内服は少し不安な方には使いやすいケースがあります。




ワンポイントアドバイス


肝斑は刺激で悪化しやすいシミです。

そのため、レーザーを強く当てると、逆に濃くなることがあります。

最近は刺激を抑えたレーザー治療もありますが、「本当に肝斑なのか」を見極めることがかなり重要です。また、レーザー後も紫外線対策をしないと悪化しやすくなるため、日焼け対策は治療中も非常に大切です。




トランサミン外用薬のシミへの効果

まとめ


トランサミンの塗り薬は、特に肝斑や炎症後色素沈着に対して使われることがあります。

「風邪薬みたいな薬なのに、なぜシミに効くの?」と思う方も多いですが、実は炎症を抑える作用が関係しています。

ハイドロキノンほど強力ではありませんが、刺激が比較的少なく、長く続けやすいのが特徴です。

また、飲み薬と違って全身性の副作用はかなり少ないため、「まずは塗り薬から始めたい」という方にも使いやすい治療です。

ただし、シミ治療では紫外線対策が非常に重要です。

トランサミンを使っていても、紫外線を浴び続けるとシミは悪化しやすくなります。

日焼け止めや帽子なども含めて、「紫外線を減らすこと」が治療の基本になります。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8


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