グルテン不耐症とは?原因・症状・日常生活での工夫
- 浅川貴介 | 浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士

- 9月19日
- 読了時間: 4分
更新日:10月10日
グルテンは、小麦、大麦、ライ麦などの穀物に含まれるタンパク質の一種です。最近、グルテンフリーの食生活が健康志向のトレンドとして注目を集めていますが、実際にはグルテンを避ける必要がある人とそうでない人がいます。グルテン不耐症は、グルテンを含む食品を摂取した際に不快な症状が現れる状態を指します。今回の浅川クリニックのブログでは、グルテン不耐症の原因、症状および日常生活での管理方法について詳しく説明します。

グルテンって何?
グルテンは、主に小麦やその他いくつかの穀物に含まれるタンパク質で、パンやパスタなどの食品に弾力性や粘り気を与える成分です。グルテンは食品の質感を向上させるため、多くの加工食品にも広く使用されています。
グルテンに関連する病気・不調
セリアック病
グルテンに対する自己免疫反応で、小腸の粘膜が傷つきます。腹痛・下痢・栄養吸収不良などを起こしますが、日本では非常にまれです。
小麦アレルギー
小麦に含まれるタンパク質全般に免疫が反応します。じんましんや咳、重症ではアナフィラキシーを引き起こすこともあります。
グルテン不耐症
命に関わるものではありませんが、グルテンを摂ると腹痛、膨満感、頭痛、疲労感などが出ることがあります。
グルテン不耐症の原因
グルテンに対する身体の反応
グルテン不耐症の人々は、グルテン(主に小麦、ライ麦、大麦に含まれるタンパク質)を消化する際に問題を抱えることがあります。体がグルテンを適切に処理できない場合、消化器系で炎症や他の不快な症状を引き起こす可能性があります。
遺伝的要因
一部の研究では、グルテン不耐症が家族歴と関連していることが示唆されています。特定の遺伝的素因が、グルテンに対する感受性を高める可能性があります。
腸内環境の変化
腸内フローラのバランスの乱れがグルテン不耐症の発症に寄与する可能性があります。腸内環境が乱れると、腸のバリア機能が低下し、グルテンが引き起こす炎症反応が増加することがあります。
グルテンを含む食品の過剰摂取
現代の食生活においてグルテンを含む食品の消費が増加していることも、グルテン不耐症の増加に影響を与えている可能性があります。多くの加工食品にグルテンが含まれており、過剰な摂取が問題を引き起こすことがあります。
FODMAPsへの反応
グルテン不耐症の症状は、実際にはFODMAPs(発酵性オリゴ糖、二糖類、単糖類および多価アルコール)という別の食品群に対する感受性から来る可能性があります。これらは小麦や他の穀物にも含まれており、消化器系の不快感を引き起こすことがあります。
グルテン不耐症の症状
消化器系の症状
腹痛
膨満感
ガス腹・おなら
下痢または便秘
悪心や嘔吐
皮膚の症状
発疹
肌のかゆみ
ニキビ
神経系の症状
頭痛
疲労感
不安やうつ
その他の症状
関節痛
鉄欠乏性貧血
グルテン不耐症の管理
食品ラベルを確認する
パン粉・しょうゆ・お菓子など意外な食品にも小麦由来の成分が含まれます。
交差汚染を避ける
グルテンフリー食品を調理する際は、同じトースターやまな板を使わない工夫も大切です。
栄養バランスを意識
「グルテンフリー=健康」ではありません。糖質や脂質が多い商品もあるため注意しましょう。

ワンポイントアドバイス
お酒とグルテン
グルテンに敏感な人々にとっては、注意が必要な飲料も存在します。
ビールは、グルテンを含む大麦、小麦、ライ麦から製造されます。グルテン不耐症の人は避けるべきです。
ウイスキー、バーボン、ライウイスキーなどの蒸留酒も穀物を原料としていますが、蒸留プロセスによりグルテンのタンパク質は除去されると考えられています。ただし、非常に敏感な人は反応する可能性があるため注意が必要です。
ぶどうから作られるワインは自然にグルテンフリーです。ただし、使用される澄清剤によってはグルテンが含まれる場合があるため、製造元に確認することが望ましいです。
原材料に麦が入っていないか、蒸留されているか、添加物として使用されていないかがカギとなります。
ちなみにブランデー・テキーラ・ラム酒など原材料が麦以外の蒸留酒は、比較的グルテンを含まない可能性が高くなります。同じ原料の蒸留酒でも、値段が高いお酒になるにしたがって添加物が少なくなる傾向があります。
ビール:大麦や小麦が原料 → NG
ワイン:基本はグルテンフリー。ただし澄清剤に注意
蒸留酒(ウイスキー・テキーラ・ラムなど):蒸留過程でほぼ除去。ただし体質によっては反応することも
まとめ
グルテンは多くの方には問題のない成分ですが、不耐症や小麦アレルギーがある場合は体調を左右する大きな要因となります。症状が気になる方は自己判断せず、医師にご相談ください。生活の工夫で快適に過ごせることが多いです。
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