top of page

日本で流行している梅毒について

  • 執筆者の写真: 貴介 浅川
    貴介 浅川
  • 3月14日
  • 読了時間: 3分

近年、日本では梅毒の感染者数が増加傾向にあります。梅毒は昔の病気と思われがちですが、現在も広がり続けており、適切な予防と早期治療が重要です。今回の浅川クリニックのブログでは、梅毒の症状や感染経路、予防方法について解説します。



梅毒


日本での梅毒流行状況


近年、日本国内で梅毒の感染者数が急増しています。厚生労働省の発表によると、2020年以降、年間報告数が増加傾向にあり、特に都市部(東京、大阪、福岡など)での感染が顕著です。感染者の増加には、性行動の多様化や認知度の低さが影響していると考えられています。


性別・年齢別に見ると、男性の感染者が多いものの、近年は20~30代の女性の感染も増えています。特に妊娠中の女性が感染すると、胎児に影響を及ぼす「先天梅毒」のリスクがあるため、注意が必要です。




梅毒とは?


梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum) という細菌によって引き起こされる性感染症(STI)の一つです。感染後、数週間から数カ月かけて進行する慢性疾患であり、放置すると全身に深刻な影響を及ぼす可能性があります。




梅毒が自分ではわかりにくい理由


初期症状が軽微または無痛

第1期の硬性下疳(しこりや潰瘍)は痛みを伴わないことが多く、特に性器や口の中にできた場合、気づかないことがあります。


症状が自然に消えることがある

第2期の発疹(バラ疹)や倦怠感などの症状は一時的に現れ、その後消失するため、治ったと勘違いしやすいです。


長期間の潜伏期がある

梅毒は潜伏期間が長く、症状が出ないまま数年経過することがあります。その間、感染が進行している可能性があります。


他の病気と誤認されやすい

梅毒の発疹は風疹やアレルギーと間違えられることがあり、専門的な検査を受けないと診断が難しい場合があります。




梅毒を放っておくとどうなるか


第3期(数年後)

皮膚や骨、内臓にゴム腫と呼ばれる腫瘍が発生し、組織が破壊されることがあります。


第4期(数十年後)

心血管梅毒(大動脈炎など)や神経梅毒(認知障害、麻痺など)を引き起こし、最悪の場合、死亡することもあります。


母子感染(先天梅毒)

妊婦が梅毒に感染していると、胎児も感染し、流産・死産のリスクが高まるほか、生まれてきた赤ちゃんにも重い障害が残る可能性があります。



杉田玄白


梅毒という名前の由来


日本における「梅毒」という名称は、中国の古い文献に由来するとされています。この病気にかかると、皮膚に梅の花のような紅色の発疹が現れることから、「梅毒」という名称が付けられました。また、江戸時代にはこの病気が広まり、多くの文献や医学書にも記載されるようになりました。当時の医師たちは、「瘡毒(そうどく)」とも呼び、梅毒が長期的に深刻な健康被害を及ぼす病気であることを認識していました。江戸時代に来日したシーボルトや杉田玄白も当時の梅毒の流行状況に憂いていたようです。




まとめ


梅毒は適切な予防と早期治療で十分に対処可能な病気です。しかし、無症状の期間が長いため、気づかないうちに感染が広がる可能性があります。少しでも不安がある方は、医療機関での検査・診察をおすすめします。

ご相談がありましたら、お気軽に浅川クリニックまでお問い合わせください。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8



Комментарии

Оценка: 0 из 5 звезд.
Еще нет оценок

Добавить рейтинг
bottom of page