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Hb・Htが高いと言われた方へ 多血症とは?放置していいのか、医師が現場目線で解説

  • 執筆者の写真: 浅川貴介 |  浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士
    浅川貴介 | 浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士
  • 11 時間前
  • 読了時間: 4分

「Hb高いですね」と言われたら、どう考えるか


外来でよくある会話です。

「健診でHbが高いって言われました」「血がドロドロってことですか?」

結論から言うと、本当に血液がドロドロなのかはケースによります。

HbやHtが高い状態は一般的に多血症と呼ばれますが、その中身はかなり異なります。

ここを曖昧に扱うと、見逃してはいけない病気をスルーすることもあれば、問題ないのに過度に不安になることもあります。


多血症 Hb高い Ht高い

Hb・Htとは


  • Hb:酸素を運ぶ成分

  • Ht:血液中の赤血球の割合

高い=血液が濃い状態と理解して問題ありません。




多血症は大きく2つに分かれます


① 相対的多血症(見かけ上の上昇)


外来で最も多いタイプです。

水分が減ることで血液が濃くなって見えている状態です。


主な原因:

  • 水分不足(健診前に多い)

  • 軽い脱水

  • 発熱や下痢の後

  • 利尿薬


再検査で正常に戻ることも多いのが特徴です。


② 絶対的多血症(赤血球が実際に増えている)


こちらは原因の評価が重要になります。


■ 二次性多血症(原因がある)


体が酸素不足と判断して赤血球を増やします。


よくある原因:

  • 喫煙

  • 睡眠時無呼吸症候群

  • 慢性肺疾患

  • 肥満


特に外来で多いのは喫煙といびきの組み合わせです。

Hb高値をきっかけに検査をすると、睡眠時無呼吸が見つかるケースは珍しくありません。


■ 真性多血症(血液の病気)


頻度は低いものの重要な疾患です。

  • 骨髄の異常で赤血球が増加

  • 血栓リスクが高い

  • 専門的な治療が必要

数値の違和感や他の検査異常がヒントになります。




Hb・Htが高い場合 多血症は放置していいのか


結論としては原因によります。

ただし、

  • HbやHtが高い状態が持続

  • 喫煙歴あり

  • 高血圧あり

この組み合わせでは血栓(脳梗塞・心筋梗塞)のリスクが上昇します。

軽く見てよいケースばかりではありません。




受診の目安


以下に当てはまる場合は一度評価をおすすめします。

  • 健診で繰り返しHbやHtが高い

  • 喫煙している

  • いびきや日中の眠気がある

  • 頭痛やめまい、顔のほてりがある

  • 要精査と指摘された

単発よりも繰り返しの異常が重要です。




浅川クリニックでの診療の流れ


当院では以下のように評価します。

  1. 再検査で脱水の影響を確認

  2. 酸素状態の評価

  3. 問診で睡眠時無呼吸の可能性を確認

  4. 必要に応じて簡易検査

この段階で多くの原因は整理できます。

必要に応じて血液内科へ紹介します。




実際に多いパターン


臨床的には以下が多く見られます。

  • 健診前の脱水による一時的上昇

  • 喫煙と睡眠時無呼吸の組み合わせ

  • 肥満に伴う慢性的な低酸素

真性多血症は頻度としては多くありませんが、見逃さないことが重要です。




ワンポイントアドバイス


ヘマトクリット(Ht)が高い状態は、それ自体が血栓リスクと関連するとされています。真性多血症では、Htを45%未満に保つことで血栓イベントが減少することが報告されています。

実臨床では「脱水」か「低酸素(喫煙・睡眠時無呼吸)」かをまず切り分けることが重要です。

一度の異常よりも、繰り返し高いかどうかを重視して判断します。




まとめ


  • HbやHtの上昇は多血症の可能性を示す

  • 多くは脱水や生活習慣が関与

  • 睡眠時無呼吸や血液疾患が隠れていることもある

  • 繰り返し高値の場合は評価が必要

「問題ない上昇」と「原因がある上昇」を見分けることが重要です。




浅川クリニックから


HbやHtの上昇は、生活習慣や呼吸状態の影響を受けやすい指標です。

喫煙、睡眠、体重などと密接に関係しています。

適切に評価することで、改善につながるケースも少なくありません。

健診結果で気になる点があれば、対面・オンラインどちらでもご相談ください。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8




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