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おかず多めとごはん多め、どっちが健康?やせやすい?

  • 執筆者の写真: 貴介 浅川
    貴介 浅川
  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

「ごはんを多めに食べた方がいいのか、それともおかずを多めにした方がいいのか」。日々の診療でもよく質問をいただきます。体重管理や生活習慣病の予防を考えると「おかず多め」が有利と考えられますが、最新の研究からは一筋縄ではいかない側面も見えてきています。今回の浅川クリニックのブログでは医学的根拠を交えて整理します。


おかず多めの食事。

おかず多めのメリット


高たんぱく食は筋肉量を維持し基礎代謝を保つうえで不可欠です。近年の医学研究(Astrupら, Am J Clin Nutr 2020)では、高たんぱく食は標準的なたんぱく質食に比べて3か月で平均1.2kgの体重減少効果があると報告されました。さらに、たんぱく質はGLP-1やPYYといった満腹ホルモンの分泌を促し、自然な食欲抑制をもたらします。

また、野菜や海藻類など副菜を増やすことにより、食物繊維が血糖値の急上昇を抑制し、腸内環境を整える効果も確認されています。これらは体重管理だけでなく長期的な健康維持にもつながります。




おかず多めの落とし穴

脂肪と塩分の過剰摂取


ただし、「おかず多め」にも注意点があります。揚げ物や脂身の多い肉料理に偏ると、脂質の比率が容易に35%を超え、肥満や脂質異常症のリスクが高まります。日本の研究(NIPPON DATA 2010研究)でも、脂質比率の高い食事と心血管疾患の関連が指摘されました。

また、調味料や加工食品の使用が増えることで塩分過多になりやすい点も問題です。国民健康・栄養調査によれば、日本人の平均食塩摂取量は1日10g前後とWHOの推奨(5g未満)の倍近くに達しており、高血圧や脳卒中リスクと強い関連を示します。Lancet Public Health(2021年)でも、高塩分食と脳血管疾患の関係は明確に示されています。




ごはん多めの特徴とリスク


ごはんは効率のよいエネルギー源であり、よく噛むことで満腹感も得やすく、トリプトファンを介して精神的安定にもつながります。しかし、白米中心で量が多すぎると食後高血糖を招き、インスリン分泌を通じて脂肪蓄積を助長します。特に日本人の一般的な食生活は主食に偏りやすく、糖質過多になりやすいことが指摘されています。 その結果、肥満や2型糖尿病、さらには心血管疾患のリスクが高まることが、国内外の前向き研究で示されています。




推奨されるバランス


日本の食事摂取基準(2025年版)では、炭水化物50〜65%、たんぱく質15〜20%、脂質20〜30%が推奨されています。ごはんは茶碗軽め1杯(約100g)、主菜は魚や赤身肉、大豆製品を中心にし、副菜で野菜をたっぷり摂る構成が望ましいと思います。調理の工夫で脂質を抑え、香辛料や柑橘類を利用して減塩を心がけることができればなお良いと考えます。


おかず多めの朝食。

ワンポイントアドバイス

朝食の重要性


近年注目されているのが朝食の質です。2024年の研究では、朝食で15g以上のたんぱく質と十分な食物繊維を摂取することで日中の食欲が安定し、体重コントロールに有効であることが示されました(EatingWell誌, 2024年紹介)。朝にしっかりとバランスを整えることで、その日の代謝リズムが良くなります。




まとめ


おかず多めは筋肉維持や満腹感の持続、血糖コントロールに有利ですが、脂肪や塩分の過剰摂取に注意が必要です。一方、ごはん多めはエネルギー補給として優れますが、過剰摂取は肥満や糖尿病リスクを高めます。結局のところ、「ごはんはほどほどに、おかずは質と調理法に気を配ってバランスよく」がもっとも医学的に理にかなった選択肢です。


浅川クリニック世田谷では、生活習慣病や体重管理に関するご相談も受け付けております。食生活を見直したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。




浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8


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