高中性脂肪血症(高トリグリセリド血症)とは?
- 浅川貴介 | 浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士

- 2025年12月26日
- 読了時間: 3分
「健康診断で中性脂肪が高いと言われたけれど、放っておいてもいいの?」そんな声をよく耳にします。実は、中性脂肪(トリグリセリド)が高い状態は、動脈硬化や心筋梗塞・脳梗塞のリスクを高める重要なサインです。今回は「高中性脂肪血症」について、原因・症状・治療法をわかりやすく解説します。

🔬 中性脂肪とは?
中性脂肪(トリグリセリド)は、体にとって重要なエネルギー源のひとつです。しかし、必要以上に増えると血液がドロドロになり、血管に負担をかけて動脈硬化を進行させます。
正常値:150mg/dL 未満
境界高値:150〜199mg/dL
高値:200mg/dL 以上
💡 原因
高中性脂肪血症の原因は大きく分けて「生活習慣」と「病気・体質」の2つです。
1. 生活習慣によるもの
揚げ物やお菓子など脂質の多い食事
炭水化物・糖質の摂りすぎ(甘い飲み物など)
飲酒(特にビール・焼酎などの過剰摂取)
運動不足
肥満
2. 病気や薬の影響
糖尿病・甲状腺機能低下症
腎臓・肝臓疾患
ステロイド薬、利尿薬などの長期使用
遺伝性(家族性高脂血症)
⚠️ 症状
中性脂肪が高くても初期はほとんど症状がありません。しかし長期間放置すると、以下のような病気を引き起こすことがあります。
動脈硬化
心筋梗塞・脳梗塞
急性膵炎(特に1000mg/dL以上でリスク増大)
脂肪肝
🩺 診断・検査
血液検査でトリグリセリド(TG)値を測定します。必要に応じて以下の項目も確認します。
LDL(悪玉コレステロール)
HDL(善玉コレステロール)
空腹時血糖・HbA1c
肝機能・腎機能
浅川クリニック世田谷では、生活習慣病の総合的な検査として、血液・尿・心電図・頸動脈エコーなども行い、動脈硬化リスクを多角的に評価します。
💊 治療法
① 生活習慣の改善
食事:糖質・脂質を控え、野菜や魚中心に
運動:1日30分程度のウォーキングなど
禁酒または減酒
体重の適正化
② 薬物療法
生活習慣改善でも改善しない場合は、以下の薬剤を使用します。
フィブラート系薬(ベザフィブラートなど)
EPA製剤(イコサペント酸エチルなど)
スタチン系薬(LDLも同時に高い場合)

🍶 ワンポイントアドバイス
飲酒と膵炎の関係
中性脂肪の値が高い方は、飲酒量にも注意が必要です。アルコールを摂取すると肝臓で中性脂肪の合成が進み、さらに肝臓から放出される脂質も増加します。その結果、血中のトリグリセリド値が急上昇し、**急性膵炎(すいえん)**を引き起こすリスクが高まります。
特に次のような方は要注意です。
飲酒習慣があり、中性脂肪が 500mg/dL 以上
食後の血液が「ドロドロ」と言われたことがある
以前に「膵臓が腫れている」と指摘された
膵炎は強い上腹部痛・背部痛・吐き気などで突然発症し、重症化すると命に関わることもあります。「休肝日を週2日設ける」「お酒の量を1日1合以下に抑える」など、日常の工夫が膵臓を守る第一歩です。
🌿 放置しないで、早めの相談を
「まだ症状がないから」と放っておくと、ある日突然の心筋梗塞・脳梗塞につながることもあります。中性脂肪が高めと言われたら、早めに医師へ相談し、生活習慣や治療を見直すことが大切です。
浅川クリニック(世田谷区世田谷1-3-8)では、内科・腎臓専門医による生活習慣病のトータルケアを行っています。食事・運動・お薬の相談から、動脈硬化・脂肪肝の検査まで、ひとりひとりに合った治療方針をご提案します。
浅川クリニック 内科・世田谷
〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8




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