top of page

マンジャロで痩せれば人生は変わる? ~浅川クリニックが自費マンジャロを行わない理由~

  • 執筆者の写真: 浅川貴介 |  浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士
    浅川貴介 | 浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士
  • 4 日前
  • 読了時間: 5分

最近、

「マンジャロで痩せたいのですが処方していますか?」

というお問い合わせをいただくことがあります。

結論から申し上げると、2026年6月現在、浅川クリニックではマンジャロの自費診療は行っていません。今後も積極的に行う予定はありません。

ただし、これはマンジャロを否定しているわけではありません。

むしろ私は、マンジャロは非常に優れた薬だと思っています。

今日はその理由と、それでも当院で自費診療を行わない理由についてお話ししたいと思います。


マンジャロは優れた糖尿病治療薬であり、高い体重減少効果も期待できます。しかし、痩せることと幸せになることは同じではありません。浅川クリニックが自費マンジャロを行わない理由と、健康と幸せについて医師の視点から解説します。

マンジャロは本来、糖尿病の治療薬です


マンジャロは2型糖尿病の治療薬として承認されている注射薬です。

食欲を抑えたり、血糖値を改善したりする作用があり、多くの患者さんで体重減少効果も認められています。

近年はその高い減量効果から注目を集めています。

一方で、同じ有効成分(チルゼパチド)を使用した肥満症治療薬として「ゼップバウンド」が登場しました。


つまり、

マンジャロ=糖尿病治療薬

ゼップバウンド=肥満症治療薬

であり、中身は同じ成分です。




「じゃあマンジャロを自費で使えばいいのでは?」


そう考える方も多いと思います。

実際、多くの自由診療クリニックではマンジャロを用いた減量治療が行われています。

私はその考え方も理解できます。

肥満に悩んでいる方はたくさんいますし、需要があることも事実です。


また、実際に体重が減ることで、

  • 糖尿病予防

  • 血圧改善

  • 脂肪肝改善

  • 睡眠時無呼吸症候群の改善

などが期待できる場合もあります。


ですから、マンジャロを自費診療で扱っているクリニックを否定するつもりは全くありません。




ゼップバウンドは誰でも保険で使えるわけではありません


一方で、肥満症治療薬として保険適用になったゼップバウンドには厳しい条件があります。

一定以上の肥満があり、関連する健康障害を伴うこと。

さらに事前に生活習慣改善へ取り組んでいること。

そして認定施設で治療を受けること。

など、いくつかの条件を満たす必要があります。

それだけ肥満症治療は慎重に行われるべき医療行為として位置づけられているのです。




浅川クリニックが自費マンジャロを行わない理由


ではなぜ当院は行わないのでしょうか。

理由は単純です。


私自身、

健康と幸せは必ずしも同じではない

と思っているからです。


もちろん肥満によって健康被害が出ている方には減量が必要です。

それは医学的にも間違いありません。

しかし診療をしていると、

「あと3kg痩せたい」

「あと5kg痩せたい」

という希望が、本当にその方の人生を良くするのだろうか、と考えることがあります。

もちろん肥満によって健康や生活の質が損なわれている方にとっては、減量によって人生が大きく改善することもあります。



体重より大事なもの


医師として多くの患者さんを診ていると、

体重が軽い人が必ずしも幸せそうとは限りません。

逆に少しふっくらしていても、とても魅力的で元気な方もたくさんいます。


美容の世界では

「おっぱいまでが顔」

という少々乱暴な表現があります。

顔だけではなく、首やデコルテ、姿勢まで含めて人の印象は決まるという意味です。

実際には体重の数字だけで魅力は決まりません。


  • 姿勢

  • 筋肉量

  • 表情

  • 活動量

  • その人らしい生き方


こうしたものの方が、ずっと大きな影響を与えているように感じます。

(※美容業界で使われる表現であり、私のオリジナルではありません。)



健康は人生の目的ではなく土台


私は医師ですから健康は大切だと思っています。

糖尿病も高血圧も腎臓病も予防したい。

できるだけ元気に長生きしてほしい。

それは本心です。


ただ、健康そのものが人生のゴールではありません。

家族と食事をすること。

旅行に行くこと。

仕事を楽しむこと。

趣味を続けること。

健康はそうした人生を支えるための土台です。


だから私は、

単に体重を減らすことよりも、

その人の人生全体にとって意味がある医療を提供したいと思っています。




肥満症治療は今後もご紹介します


誤解のないように申し上げますが、私は肥満症治療を否定しているわけではありません。

肥満症はれっきとした病気です。

適応があり、専門的な治療が必要な方については、今後も認定施設へのご紹介を行っていきます。




最後に


マンジャロは優れた薬です。

今後さらに活躍の場は広がるでしょう。

それでも現時点では、浅川クリニックで自費マンジャロを積極的に行う予定はありません。


私も40代になり、健康のありがたみは若い頃より感じるようになりました。

でも同時に、健康だけで人は幸せになれないことも診療を通じて感じてきました。


もちろん健康は大切です。

でも健康は人生の目的ではなく、人生を楽しむための土台です。

体重計の数字だけではなく、

その人が毎日を楽しく過ごせているか。

家族と笑えているか。

好きなことに夢中になれているか。

私はそちらの方を大切にしたいと思っています。


※なお、近々肥満症の治験が始まったら、話は別かもしれません(笑)。その時は真面目に検討したいと思います。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8



bottom of page