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【白衣高血圧】診察室だけ高い血圧

  • 執筆者の写真: 貴介 浅川
    貴介 浅川
  • 5 日前
  • 読了時間: 3分

血圧を測ったときに、「診察室では高いけど、家ではそんなに高くないんです」という方がよくいらっしゃいます。このような状態を「白衣高血圧(はくいこうけつあつ)」といいます。

「病院で緊張してるだけだし、薬はまだいらないですよね?」「毎日高いわけじゃないから、放っておいても平気ですよね?」そう思う方も多いですが、実はこの白衣高血圧、決して安心していい状態ではありません。放っておくと、将来本物の高血圧になるリスクが高いことがわかってきており、さらには心臓や血管の病気のリスクも上がるという報告が出ています。今回の浅川クリニックのブログでは、白衣高血圧について「どこがこわいのか」「どう対応したらいいのか」を、わかりやすくお伝えします。


白衣高血圧に気づいた医師

白衣高血圧ってなに?


白衣高血圧とは、病院(診察室)で測ると血圧が高いけれど家で測ると正常の範囲におさまっているという状態のことです。この現象は、「病院の緊張感」「白衣を見たときのストレス」などで一時的に血圧が上がるために起こるとされています。特に中高年の方、健康診断で初めて指摘された方、ストレスに敏感な方などに多く見られます。




「緊張してるだけ」で済ませていいの?


かつては「そのうち下がるだろう」「本物の高血圧じゃないから大丈夫」とされてきました。でも最近の研究では、白衣高血圧の方は次のようなリスクがあることがわかってきました。


将来、本当の高血圧になる可能性が高い

白衣高血圧の人は、5年〜10年以内に約半数が「持続性高血圧」へ移行するといわれています。一時的なものではなく、「高血圧の入り口」と考えたほうがよさそうです。


心臓や血管の病気のリスクが上がる

白衣高血圧の人は、正常血圧の人と比べて心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高いという報告があります。海外の大規模調査では、心血管イベントのリスクが約1.4倍に上がるというデータもあります。(Banegas JR et al., NEJM 2018)




白衣高血圧の人にみられる変化


・左室肥大(心臓に負担がかかっているサイン)

・微量アルブミン尿(腎臓へのダメージの初期)

・頸動脈の動脈硬化(血管の老化が進行しているサイン)


これらはすべて、「まだ高血圧じゃないのに、体はもう高血圧と同じようなダメージを受け始めている」ことを意味します。


家庭血圧測定

じゃあ、どうすればいいの?


まずは家庭血圧をしっかり測ること

朝・夜の家庭血圧を毎日記録することで、変化に早く気づけます。


生活習慣を見直す

塩分を減らす(1日6g未満を目指しましょう)

運動を週1回以上取り入れる

飲酒・喫煙の見直しも重要です

よく寝ましょう


必要があれば治療も

白衣高血圧でも、心臓や腎臓にダメージがある場合は薬を使った治療が必要になることがあります。高血圧の家族歴がある方や、糖尿病・脂質異常など他の生活習慣病がある方も、積極的に治療を検討します。当院ではCureAppなどスマホのアプリで、薬を使わない高血圧治療にも対応しています。




まとめ

白衣高血圧を「放置しない」ことが大切です


✅ 白衣高血圧は、ただの緊張ではなく、将来の高血圧のサインかもしれません。

✅ 放っておくと心臓や血管にダメージが蓄積していきます。

✅ 家庭血圧の記録、生活習慣の見直し、そして必要に応じて治療が大切です。


浅川クリニック世田谷では、白衣高血圧を含め、すべての「ちょっと気になる血圧」について、ていねいに評価とアドバイスを行っています。「病院だと血圧が高いと言われるけど、家では平気」そんな方こそ、一度ご相談ください。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8


#診察室血圧

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