ロキソニンでアレルギーや薬疹?効果・副作用と服用時の注意点
- 浅川貴介 | 浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士

- 2024年12月6日
- 読了時間: 9分
更新日:10 分前
ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種です。痛みや炎症を抑える薬として、日本で広く使用されています。
頭痛、筋肉痛、関節痛、月経痛など、さまざまな痛みの治療に利用されます。処方薬だけでなく、市販薬の「ロキソニンS」としても購入できるため、非常に身近な薬です。
しかし、身近な薬だからといって、誰でも安全に飲めるわけではありません。
胃腸障害や腎機能への影響に加えて、まれに発疹、蕁麻疹、かゆみ、息苦しさなどのアレルギー症状が出ることがあります。
ロキソニンを飲んだあとに発疹や蕁麻疹が出た場合は、自己判断で追加服用しないことが大切です。特に息苦しさや喉の腫れを伴う場合は、すぐに医療機関を受診してください。
今回の浅川クリニックのブログでは、ロキソニンの効果や副作用、アレルギー症状、服用時の注意点について解説します。

ロキソニンの効果と用途
痛みの緩和
ロキソニンは、次のような痛みを軽減する目的で使われます。
頭痛
歯痛
月経痛
関節痛
腰痛
筋肉痛
神経痛
手術後や抜歯後の痛み
炎症の抑制
手術後やけがをしたあとの腫れ、痛み、炎症を軽減します。
発熱の解熱
風邪などによる発熱に対して、体温を下げる目的でも使われます。
ロキソニンの主成分であるロキソプロフェンは、炎症や痛みに関係する「プロスタグランジン」という物質が作られるのを抑えることで作用します。
ロキソニンの主な副作用
胃腸障害
ロキソニンの副作用として比較的よく知られているのが、胃腸障害です。
胃痛
胃もたれ
吐き気
食欲不振
胃潰瘍
十二指腸潰瘍
消化管出血
特に高齢者、胃潰瘍の経験がある人、ほかの鎮痛薬やステロイド薬、血液を固まりにくくする薬を使用している人は注意が必要です。
ロキソニンを処方する際に、胃薬を併用することもあります。ただし、胃薬を一緒に飲めばロキソニンの副作用を完全に防げるわけではありません。
PPI(プロトンポンプ阻害薬)を使用している患者さんでは、NSAIDsとの併用による急性腎障害のリスク上昇を示した研究もあります。ただし、これはロキソニンとPPIを併用すると必ず腎障害が起こるという意味ではありません。
Ikuta K, et al. BMJ Open. 2021 Feb 15;11(2):e041543.
黒い便、血を吐く、強い腹痛などがある場合は、消化管から出血している可能性があります。ロキソニンの使用を中止し、すぐに医療機関を受診してください。
アレルギー反応
ロキソニンを服用したあとに、次のようなアレルギー症状が出ることがあります。
皮膚の赤み
発疹
蕁麻疹
全身のかゆみ
まぶたや唇の腫れ
喉の違和感
咳
息苦しさ
薬によって起こる皮膚症状を、広く「薬疹」と呼びます。
ロキソニンによる薬疹では、赤い斑点、かゆみ、盛り上がった蕁麻疹などがみられることがあります。ただし、薬疹の見た目は人によって異なります。
感染症や別の皮膚疾患でも似た発疹が出ます。見た目だけでロキソニンアレルギーと判断することはで
きません。
腎機能への影響
ロキソニンは、腎臓の血流を低下させ、腎機能を悪化させることがあります。
特に注意が必要なのは、次のような人です。
もともと腎機能が低下している
高齢である
心不全がある
利尿薬を使用している
発熱、下痢、嘔吐などで脱水している
食事や水分が十分にとれていない
ロキソニンを長期間または頻回に使用している
重篤な腎機能障害がある人は、ロキソニンを服用できません。
健康な人でも、脱水状態での服用や長期間の使用によって腎機能が悪化する可能性があります。
尿が極端に少ない、足がむくむ、体が強くだるいなどの症状がある場合は、服用を中止して医療機関へ相談してください。
心臓・脳血管への影響
ロキソニンを含むNSAIDsでは、心筋梗塞や脳卒中などの心血管系の副作用にも注意が必要です。
短期間の服用で必ず問題が起こるわけではありませんが、高用量や長期間の使用ではリスクが高くなる可能性があります。
特に、次のような人は注意してください。
高血圧がある
糖尿病がある
脂質異常症がある
喫煙している
心筋梗塞や脳卒中の経験がある
高齢である
心不全がある
胸の痛み、突然の息苦しさ、片側の手足の動かしにくさ、ろれつが回らないなどの症状が出た場合は、すぐに救急車を呼んでください。
重い薬疹
ロキソニンによって、まれに重い薬疹が起こることがあります。
その一つが、急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)です。高熱とともに、全身の皮膚に赤みや小さな膿疱が急速に広がります。
また、非常にまれですが、スティーブンス・ジョンソン症候群などの重症薬疹にも注意が必要です。
次のような症状がある場合は、早急に医療機関を受診してください。
高熱を伴う発疹
発疹が急速に全身へ広がる
皮膚に水ぶくれができる
皮膚がはがれる
目が充血する
唇や口の中がただれる
強いだるさがある
ロキソニン服用後に蕁麻疹やかゆみが出たら
ロキソニンを飲んだあとに発疹、蕁麻疹、かゆみが出た場合は、追加の服用を中止してください。
軽い皮膚症状だけでも、医療機関へ相談することをおすすめします。
受診時には、次の情報があると診断の参考になります。
服用した薬の商品名
服用した量
服用した時刻
症状が出た時刻
一緒に飲んだ薬やサプリメント
発疹がどのように広がったか
発疹が消える前に、スマートフォンで写真を撮っておくことも役立ちます。
ただし、原因を確認するために自分でもう一度ロキソニンを飲むことは危険です。再度服用すると、前回より強い症状が出る可能性があります。
すぐに救急車を呼ぶべき症状
次のような症状がある場合は、重いアレルギー反応であるアナフィラキシーの可能性があります。
息がしにくい
ゼーゼー、ヒューヒューする
喉が締めつけられる
声がかすれる
唇や舌、喉が腫れる
蕁麻疹が急速に全身へ広がる
強い腹痛や繰り返す嘔吐がある
顔色が悪い
冷や汗が出る
ふらつく
意識が遠のく
このような場合は様子を見ず、119番へ連絡してください。自分で車を運転してはいけません。
ロキソニンを服用してはいけない人
次のような人は、原則としてロキソニンを服用できません。
ロキソニンの成分で過敏症を起こしたことがある
アスピリン喘息、またはその既往がある
消化性潰瘍がある
重篤な腎機能障害がある
重篤な肝機能障害がある
重篤な心不全がある
重篤な血液の異常がある
妊娠後期である
アスピリン喘息とは、アスピリンだけで起こる喘息ではありません。
ロキソニン、イブプロフェンなどのNSAIDsを服用したあとに、鼻づまりや咳、喘鳴、呼吸困難などが起こることがあります。
過去に痛み止めを飲んで息苦しくなった経験がある人は、自己判断でロキソニンを服用しないでください。
ロキソニンの注意点
長期間の使用を避ける
ロキソニンは、痛みや炎症を一時的に緩和する薬です。
長期間の使用や頻回の服用は、胃腸障害や腎機能障害などのリスクを高めます。必要最小限の量を、必要最小限の期間だけ使用することが大切です。
市販薬を数日使用しても症状が改善しない場合は、痛みを薬で抑え続けるのではなく、原因を調べるために医療機関を受診しましょう。
飲み合わせに注意
次のような薬を使用している人は、ロキソニンを飲む前に医師や薬剤師へ確認してください。
ほかのNSAIDs
アスピリン
抗凝固薬
抗血小板薬
ステロイド薬
利尿薬
一部の降圧薬
メトトレキサート
一部の抗菌薬
市販の風邪薬や頭痛薬にも、NSAIDsが含まれていることがあります。
商品名が違っても、同じ種類の鎮痛成分が重複する可能性があるため注意してください。
妊娠中や授乳中の使用
妊娠後期の女性は、ロキソニンを服用できません。
妊娠中は時期によって胎児への影響が異なるため、自己判断で使用せず、必ず医師へ相談してください。
授乳中については、一律に使用禁止というわけではありません。ただし、母親の状態や赤ちゃんの月齢などによって判断が異なるため、医師や薬剤師へ確認してから使用しましょう。
インフルエンザの際も自己判断で使用しない
インフルエンザにかかったとき、特に子どもや10代の患者さんでは、解熱鎮痛薬の選び方に注意が必要です。
インフルエンザとライ症候群との関連で特に問題となるのは、アスピリンなどのサリチル酸系薬剤です。ロキソニンがライ症候群を直接引き起こすと断定できるわけではありません。
ただし、小児へのロキソニンの使用は一般的ではありません。インフルエンザが疑われるときは、家庭に残っている薬を自己判断で飲ませず、医師や薬剤師へ相談してください。
ロキソニンアレルギーがある場合、ほかの鎮痛薬は使える?
ロキソニンでアレルギー症状が出た人でも、ほかの鎮痛薬が使用できる場合があります。
しかし、アレルギーや過敏反応の仕組みによっては、ほかのNSAIDsでも同じような反応が起こる可能性があります。
アセトアミノフェンなどが代わりに検討されることもありますが、誰にでも安全とは限りません。
自己判断で別の鎮痛薬へ変更せず、医師や薬剤師へ相談してください。
また、ロキソニンアレルギーが疑われた場合は、お薬手帳やスマートフォンに「ロキソニン」「ロキソプロフェン」と具体的な薬剤名を記録しておきましょう。

ワンポイントアドバイス
ロキソニンは日本だけ?海外では?
ロキソニンは、日本の製薬会社によって開発された薬です。
日本では非常に身近な鎮痛薬ですが、欧米ではロキソプロフェンは一般的ではなく、イブプロフェンやナプロキセン、アセトアミノフェンなどが広く使われています。
国によって承認されている薬の種類や用量は異なります。
海外で一般的に使われていないから危険、日本で広く使われているから安全というわけではありません。どの鎮痛薬にも、それぞれ効果と副作用があります。
まとめ
ロキソニンは、頭痛、歯痛、月経痛、腰痛、発熱などに広く使われている便利な薬です。
一方で、胃腸障害、腎機能障害、心血管系の副作用、薬疹などが起こる可能性があります。
ロキソニンを飲んだあとに発疹、蕁麻疹、かゆみが出た場合は、追加服用を中止して医療機関へ相談してください。
息苦しさ、喉や唇の腫れ、急速に広がる蕁麻疹、意識が遠のくなどの症状がある場合は、アナフィラキシーの可能性があります。すぐに119番へ連絡しましょう。
市販薬であっても、自己判断で長期間使い続けることは避けてください。痛みや発熱が続く場合は、症状の原因を調べるために医療機関を受診しましょう。
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