痩せているから大丈夫?健康診断データを調べてみたら意外な結果が出ました 尿酸値が高い女性の研究
- 浅川貴介 | 浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士

- 6月26日
- 読了時間: 4分
更新日:7月23日
先日、私が筆頭著者として執筆した論文が国際医学雑誌に掲載されることになりました。
タイトルは少し難しくて、
(2026). https://doi.org/10.1186/s12902-026-02380-1
です。
日本語にすると、
「浅川が書いた。痩せてる女性の尿酸値と中性脂肪・善玉コレステロールの関係をね。海外の雑誌で。今年。」
という内容です。
・・・と言われても、たぶん誰もピンときません。
私も患者さんの立場ならピンときません。
そこで今回は、論文の内容をできるだけ分かりやすく解説してみます。

研究のきっかけ
私は普段、内科医として診療を行う一方で、産業医として企業の健康診断データを見る仕事もしています。
そんな中で、以前から少し気になっていたことがありました。
それは、
「痩せているのに尿酸値が高い女性がいる」
ということです。
尿酸値が高いというと、
お酒をたくさん飲む
太っている
痛風になりそう
というイメージを持つ方が多いと思います。
実際、それは間違いではありません。
ただ、健康診断データを見ていると、
「BMIは普通なのに尿酸値が高い」
という女性が意外といるのです。
そこで、
「この人たちには何か共通点があるのだろうか?」
と思ったのが研究のスタートでした。
調べたのは「TG/HDL比」
今回注目したのは、
TG/HDL比
という指標です。
難しそうですが、中性脂肪(TG)を善玉コレステロール(HDL)で割った数字です。
実はこの数字、
インスリン抵抗性
メタボリックな体質
将来の生活習慣病リスク
などと関連することが知られています。
簡単に言うと、
「体の代謝が元気かどうかを見るヒント」
みたいな数字です。
女性の尿酸値が高いとどうなる?
尿酸値が高い女性は、どのような影響を受けるのでしょうか?
尿酸値が高いと、体にどのような変化があるのかを考えてみましょう。
健康への影響
尿酸値が高いと、以下のような健康リスクが考えられます。
痛風のリスク: 尿酸が結晶化し、関節に炎症を引き起こすことがあります。
腎機能への影響: 尿酸が腎臓に負担をかけることがあります。
心血管疾患のリスク: 高尿酸血症は心血管系の問題と関連しています。
このように、尿酸値が高いことは、見えないところで体に影響を与えている可能性があります。
結果はどうだった?
結果を一言でいうと、
尿酸値が高い女性ほど、TG/HDL比も高い傾向がありました。
しかも今回の対象は、
肥満ではない女性です。
つまり、
「痩せている=代謝的にも健康」
とは必ずしも言えない可能性がある、という結果でした。
痩せていても安心とは限らない
もちろん、
痩せていること自体は悪いことではありません。
ただ、
体重は標準
見た目も普通
健康診断もなんとなく問題なさそう
だからといって、
体の中まで完全に健康とは限りません。
健康診断の数字は、ときどき見た目では分からない情報を教えてくれます。
今回の研究は、その一例だったと思います。
では尿酸値が高かったらどうすればいい?
まずは慌てなくて大丈夫です。
尿酸値が少し高いだけで病気というわけではありません。
ただ、
「痛風にならなければOK」
とも言い切れません。
尿酸値が高い場合は、
体重
血圧
血糖
中性脂肪
HDLコレステロール
なども含めて全体を見ることが大切です。
まとめ
今回の研究では、
肥満ではない女性でも、尿酸値が高い人ほどTG/HDL比が高い
という結果が得られました。
この研究だけで因果関係までは分かりません。
しかし、
「痩せているから安心」
「痛風がないから大丈夫」
とは言い切れない可能性を示す興味深い結果だったと思います。
健康診断の結果で尿酸値を指摘された方は、一度ほかの項目も含めて見直してみてください。
意外な発見があるかもしれません。
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