痩せているから大丈夫?健康診断データを調べてみたら意外な結果が出ました 尿酸値が高い女性の研究
- 浅川貴介 | 浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士

- 1 日前
- 読了時間: 3分
先日、私が筆頭著者として執筆した論文が国際医学雑誌に掲載されることになりました。
タイトルは少し難しくて、
Asakawa T, et al. Serum uric acid and TG/HDL-C ratio in non-obese working women: an exploratory cross-sectional study. BMC Endocrine Disorders. 2026.
doi:10.1186/s12902-026-02380-1
です。
日本語にすると、
「浅川が書いた. 痩せてる女性の尿酸値と中性脂肪・善玉コレステロールの関係をね. 海外の雑誌で. 今年.」
という内容です。
・・・と言われても、たぶん誰もピンときません。
私も患者さんの立場ならピンときません。
そこで今回は、論文の内容をできるだけ分かりやすく解説してみます。

研究のきっかけ
私は普段、内科医として診療を行う一方で、産業医として企業の健康診断データを見る仕事もしています。そんな中で、以前から少し気になっていたことがありました。
それは、
「痩せているのに尿酸値が高い女性がいる」
ということです。
尿酸値が高いというと、
お酒をたくさん飲む
太っている
痛風になりそう
というイメージを持つ方が多いと思います。
実際、それは間違いではありません。
ただ、健康診断データを見ていると、
「BMIは普通なのに尿酸値が高い」
という女性が意外といるのです。
そこで、
「この人たちには何か共通点があるのだろうか?」
と思ったのが研究のスタートでした。
調べたのは「TG/HDL比」
今回注目したのは、
TG/HDL比
という指標です。
難しそうですが、
中性脂肪(TG)を善玉コレステロール(HDL)で割った数字
です。
実はこの数字、
インスリン抵抗性
メタボリックな体質
将来の生活習慣病リスク
などと関連することが知られています。
簡単に言うと、
「体の代謝が元気かどうかを見るヒント」
みたいな数字です。
女性の尿酸値が高いとどうなる?
結果はどうだった?
結果を一言でいうと、
尿酸値が高い女性ほど、TG/HDL比も高い傾向がありました。
しかも今回の対象は、
肥満ではない女性
です。
つまり、
「痩せている=代謝的にも健康」
とは必ずしも言えない可能性がある、という結果でした。
痩せていても安心とは限らない
もちろん、
痩せていること自体は悪いことではありません。
ただ、
体重は標準
見た目も普通
健康診断もなんとなく問題なさそう
だからといって、
体の中まで完全に健康とは限りません。
健康診断の数字は、ときどき見た目では分からない情報を教えてくれます。
今回の研究は、その一例だったと思います。
では尿酸値が高かったらどうすればいい?
まずは慌てなくて大丈夫です。
尿酸値が少し高いだけで病気というわけではありません。
ただ、
「痛風にならなければOK」
とも言い切れません。
尿酸値が高い場合は、
体重
血圧
血糖
中性脂肪
HDLコレステロール
なども含めて全体を見ることが大切です。
まとめ
今回の研究では、
肥満ではない女性でも、尿酸値が高い人ほどTG/HDL比が高い
という結果が得られました。
この研究だけで因果関係までは分かりません。
しかし、
「痩せているから安心」
「痛風がないから大丈夫」
とは言い切れない可能性を示す興味深い結果だったと思います。
健康診断の結果で尿酸値を指摘された方は、一度ほかの項目も含めて見直してみてください。
意外な発見があるかもしれません。
※本記事は、当院副院長が職域健診データを用いて行った研究をもとに、一般の方向けに分かりやすく解説したものです。
※研究結果は集団全体の傾向を示したものであり、個人の診断を行うものではありません。
浅川クリニック 内科・世田谷
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