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【注意喚起】O-157のやばさ、知っていますか?

  • 執筆者の写真: 貴介 浅川
    貴介 浅川
  • 5 日前
  • 読了時間: 3分

夏が近づいてくると、食中毒のリスクが高まってきます。その中でも、特に注意が必要なのが「O-157」と呼ばれる腸管出血性大腸菌。名前は聞いたことがあっても、「実際にどれくらい危険なの?」という方も多いのではないでしょうか。今回の浅川クリニックのブログでは、O-157の“やばさ”について、医療の視点から解説します。



O-157に注意が必要なユッケ


O-157ってどんな菌?


O-157は「腸管出血性大腸菌(EHEC)」の一種です。少量でも体内に入ると毒素(ベロ毒素)を出し、腸や全身に強い炎症を引き起こします。感染経路の多くは汚染された食べ物(加熱不足の肉、生野菜など)や手指を介した接触です。




症状は?風邪と違うの?


O-157の初期症状は腹痛・下痢から始まり、血便や激しい腹痛が出ることが多いです。一部の患者では、命に関わる合併症「溶血性尿毒症症候群(HUS)」を引き起こすこともあります。特に乳幼児や高齢者は重症化しやすく、注意が必要です。




O-157が“やばい”理由3つ


少量で感染する

たった数十個の菌でも発症するほど強力です。普通の食中毒菌は何万個も必要ですが、O-157はケタ違い。


重症化リスクが高い

HUSになると、腎不全やけいれん、意識障害が起こり、入院・透析が必要になることも。


人から人へうつる

トイレ後の手洗い不足などで家族内感染も起こります。保育園や介護施設で集団感染することも。



O-157に注意が必要なBBQ


バーベキューでの感染リスクが高い理由


バーベキューは楽しいですが、O-157の感染リスクも潜んでいます。特に以下の点には注意が必要です。


加熱不足の肉

見た目が焼けていても、中が赤かったり生焼けのことも。特に牛・豚のひき肉(ハンバーグなど)やレバーはしっかり火を通してください。


生肉を扱ったトング・箸をそのまま使う

焼けた肉を生肉用のトングで掴むと、二次汚染の原因に。必ず「生肉用」「焼けた肉用」を分けましょう。


クーラーボックスの温度管理

肉や食材は冷やした状態で保管しないと、菌が増えやすくなります。保冷剤をたっぷり入れて、長時間常温に放置しないことが大切です。


手洗い・消毒が不十分

屋外では手洗いが不十分になりがち。できればウェットティッシュやアルコール消毒を持参し、こまめに手を清潔にしましょう。




ユッケ・生肉の「やばさ」にも注意!


近年、少なくなったとはいえ、ユッケやタタキ、レバ刺しなどの生肉・半生肉を提供するお店もあります。間違いなく美味しいのですが、実は過去にユッケを原因としたO-157の集団感染で死亡例も発生しています。

ユッケは、見た目がきれいでも加工の段階で汚染されている可能性があり、面の菌が内部に混ざると、食べることでそのまま体内に入ってしまいます。

特に子どもや高齢者、妊娠中の方は、生肉の摂取は避けた方が安心です。「リスクのある食品」であることは忘れないでください。




O-157予防のポイント


O-157は予防が何よりも大切です。

  • 肉は中心までしっかり加熱(特にひき肉料理)

  • 生野菜は流水で丁寧に洗う

  • 手洗いは「帰宅後」「トイレ後」「調理前後」に徹底

  • まな板や包丁は肉用・野菜用で分けると安心

  • トングも使い分ける




まとめ


O-157は「ただの食中毒」とあなどってはいけません。正しい知識と予防で、あなたやご家族の健康を守ることができます。腹痛や血便が続く場合は、自己判断せず、早めに医療機関を受診してください。浅川クリニックでも、感染症に関するご相談を受け付けております。不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。


浅川クリニック 内科・世田谷

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8


#O-157

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