ヘルペスについて知っておくべきこと 症状、治療法、予防方法
更新日:6月11日
ヘルペスは、ウイルス感染症の一種であり、感染すると皮膚や粘膜に発疹や潰瘍を引き起こすことがあります。また、一部の人は感染しても症状が現れない場合があります。感染が疑われる場合は、早めに医師の診断を受けることが重要です。今回のブログではヘルペスについて知っておいてほしいことをまとめております。
ヘルペスの種類
このウイルスはヘルペスシンプレックスウイルス(HSV)として知られ、主にヘルペスシンプレックスウイルスタイプ1(HSV-1)とヘルペスシンプレックスウイルスタイプ2(HSV-2)の2つの型があります。
ヘルペスは通常、口唇や性器周辺で見られることが最も一般的ですが、他の部位にも感染することがあります。以下に、ヘルペス感染がよく見られる部位をいくつか挙げます。
口唇ヘルペス(単純ヘルペス)
口唇ヘルペスは、ヘルペスシンプレックスウイルスタイプ1(HSV-1)によって引き起こされます。唇の周りや口の周りに水ぶくれや発疹が現れることがあります。
性器ヘルペス(単純ヘルペス)
性器ヘルペスは、ヘルペスシンプレックスウイルスタイプ2(HSV-2)によって引き起こされることが一般的です。性器やその周辺に水ぶくれや発疹が現れることがあります。
眼ヘルペス
眼ヘルペスは、HSV-1によって引き起こされることが一般的で、角膜に影響を与えることがあります。これは重篤な症状を引き起こし、視力を損なう可能性があります。
これらは一般的なヘルペス感染の部位ですが、他にも口腔内、指、臀部など、他の部位にも感染が起こることがあります。感染部位によって症状や重症度が異なるため、感染の疑いがある場合は早めに医師に相談することが重要です。
ヘルペスの主な症状
水疱(水ぶくれ)や発疹
ヘルペス感染が成立すると、感染部位に小さな水疱が現れることがあります。これらの水疱は通常、赤みを帯びており、しばしば痛みやかゆみを伴います。水疱は時間の経過とともに破裂し、かさぶたになります。
発熱
ヘルペス感染によって全身症状が現れることがあり、発熱や体のだるさが起こる場合があります。
リンパ節の腫れ
感染が進行すると、近くのリンパ節が腫れることがあります。
痛みやかゆみ
感染部位やその周囲でピリピリ・ひりひりした痛みやかゆみを感じることがあります。この痛みやかゆみは、水疱が発疹やかさぶたに変化するまで続くことがあります。
排尿困難や陰部の痛み
性器ヘルペスの場合、尿道や性器部分に痛みや排尿困難が起こることがあります。
眼の症状
眼ヘルペスの場合、目のかすみ、痛み、充血、光過敏などの症状が現れることがあります。
ヘルペスの治療法
ヘルペスは現在治癒不能ですが、症状を軽減するためにいくつかの治療法が利用できます。
抗ウイルス薬の使用
医師の指示に従って抗ウイルス薬を使用することで、症状の軽減や再発の予防が可能です。
通常5日間程度内服薬を使用します。別途外用薬を使用することもあります。
痛みを軽減する薬の使用
症状が強い場合、痛みを和らげるために痛み止め薬が処方されることがあります。
ヘルペスの予防方法
安全な性行為の実践
性的接触は主な感染経路の一つです。安全な性行為を実践し、コンドームを適切に使用することで、性器ヘルペスの感染リスクを軽減できます。ただし、コンドームを使用しても完全に感染を防ぐことはできません。
感染部位の直接的な接触を避ける
感染部位や水ぶくれを直接触れないようにすることが重要です。他者との密接な接触を避けることで、感染の拡大を防ぐことができます。
手洗いの実践
ヘルペスウイルスは接触感染が主な感染経路です。定期的かつ適切な手洗いを行うことで、ウイルスの拡散を防ぐことができます。
免疫力の強化
健康的な生活習慣を維持し、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を行うことで、免疫力を強化することが重要です。免疫力が高まることで、ウイルスに対する耐性が向上し、感染のリスクが低減します。
感染リスクのある行動の制限
感染リスクの高い行動(例:口唇ヘルペスの発症期間中のキスや共用の食器、タオルの使用)を制限することで、感染の拡大を防ぐことができます。
ワンポイントアドバイス
ヘルペスの再発はどんな時に起こる?
HSVは初めて感染した後に神経細胞の核の中に潜伏します。発熱、強い日差し、性交渉、歯科治療などの刺激やストレスでウイルスが再活性化し増殖した結果、症状が出現します。そのほか悪性腫瘍など基礎疾患により細胞性免疫が低下している方でも再発しやすくなります。
一般的に上半身のヘルペス(HSV-1)より下半身のヘルペス(HSV-2)のほうが再発しやすいと言われています。
人によって月に何回も再発する方と、数年に1度ほどしか再発しない方がいます。これは潜伏しているウイルス量や免疫能力、潜伏しているウイルスの株の差が影響していると言われています。
また、HSV-2は初感染後1年間は無症状でも性器にウイルスを排出し続けていると言われています。
まとめ
ヘルペスは治癒不能ですが、適切な治療と予防策によって症状を管理し、再発を減らすことが可能です。感染が疑われる場合は、早めに医師の診断を受けることが重要です。ヘルペスでお困りの際にはいつでも浅川クリニックにご相談ください。
Comments