溶連菌感染症について 症状、治療、予防
溶連菌感染症は、溶血性連鎖球菌(溶連菌)によって引き起こされる感染症です。特に子供に多く見られますが、大人も感染することがあります。今回は、溶連菌感染症の症状、治療法、予防法について詳しく解説します。
溶連菌感染症の症状
喉の痛み
急性の喉の痛みが特徴です。特に飲み込むときに強い痛みを感じることがあります。
発熱
高熱が出ることが多く、38度以上の発熱が続くことがあります。
咳や鼻水がない
一般的な風邪と異なり、咳や鼻水がほとんどないのが特徴です。
扁桃腺の腫れ
扁桃腺が腫れて赤くなることがあります。時には白い膿が見えることもあります。
発疹
一部のケースでは、体に発疹が出ることがあります。これは猩紅熱(しょうこうねつ)と呼ばれます。
リンパ節の腫れ
首のリンパ節が腫れることがあります。
溶連菌の検査方法
迅速抗原検査(Rapid Antigen Detection Test: RADT)
溶連菌の抗原を検出するための迅速な方法です。約10〜15分で結果が出るため、診断が迅速に行えます。
咽頭の粘膜を綿棒で拭い、試薬と反応させて溶連菌の抗原の有無を確認します。
陰性の場合でも、感染が完全に否定できないことがあります。必要に応じて追加の検査が行われます。
咽頭培養検査
咽頭から採取したサンプルを培養して溶連菌の存在を確認する方法です。
咽頭を綿棒で拭い、採取したサンプルを培養して溶連菌の増殖を確認します。結果が出るまでに24〜48時間かかることがあります。感度が高く、感染の有無を確実に確認できます。
結果が出るまでに時間がかかるため、迅速な診断が必要な場合には向いていません。
溶連菌感染症の治療
溶連菌感染症は、適切な治療を受けることで迅速に回復することができます。主な治療法は以下の通りです。
抗生物質
ペニシリン系やセフェム系の抗生物質が一般的に使用されます。医師の指示に従って、処方された期間中、必ず抗生物質を飲み切ることが重要です。
対症療法
喉の痛みや発熱を和らげるために、解熱剤や鎮痛剤を使用することがあります。十分な水分を摂取し、安静にすることも大切です。
溶連菌感染症の予防
手洗い
石鹸と水でのこまめな手洗いが感染予防に効果的です。
咳エチケット
咳やくしゃみをするときは、ティッシュや肘の内側で口と鼻を覆いましょう。
共有物の消毒
感染者が触れた物や共有する物を消毒することで、感染拡大を防ぐことができます。
感染者の隔離
感染が確認された場合、学校や職場を休むなどして他の人への感染を防ぎます。
日本における溶連菌感染症の現状
日本では、特に冬から春にかけて溶連菌感染症が流行することがあります。2023年末から現在に至るまで日本中で老若男女問わず流行しています。以前と比べ検査が迅速にできるようになっています。コロナウイルスやインフルエンザウイルスと同じく、のどの抗原検査で短時間で溶連菌に感染しているかをしらべることができます。学校や保育園など、集団生活の場での感染が多く報告されます。症状が現れた場合は早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
まとめ
溶連菌感染症は、適切な治療を受けることで迅速に回復することができる感染症です。早期に医師の診察を受け、正しい治療を行うことが重要です。感染予防のための基本的な衛生習慣を守り、健康な生活を送りましょう。浅川クリニックでは、溶連菌感染症の診断と治療を行っています。疑問や不安がある場合は、浅川クリニックにお気軽にご相談ください。
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