材料は最高なのにハンバーガーはなぜ不健康?医師がわかりやすく解説
- 浅川貴介 | 浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士

- 6 日前
- 読了時間: 9分
ハンバーガーって、不思議な食べ物です。
パン、肉、チーズ、レタス、トマト、玉ねぎ。
材料だけ見ると、むしろ最高です。
たんぱく質もある。
野菜も入っている。
それなのに、なぜハンバーガーは「不健康」「太りやすい」と言われるのでしょうか。
今回の浅川クリニックのブログでは、材料は最高なのにハンバーガーが不健康と言われる不思議について、PFCバランス、血糖スパイク、食後中性脂肪、内臓脂肪の面から、できるだけわかりやすく解説します。

ハンバーガーは糖質と脂質が多くなりやすい
食事には、大きく分けて3つの栄養があります。
たんぱく質、脂質、炭水化物です。
これをPFCバランスといいます。
Pはたんぱく質。Fは脂質。Cは炭水化物です。
ハンバーガーは、パンで炭水化物をとります。肉、チーズ、ソースで脂質をとります。
つまり、炭水化物と脂質が多くなりやすい食べ物です。
特に、ダブルチーズバーガー、ベーコン入り、マヨネーズ系ソース多めのものは、脂質がかなり増えます。
脂質は体に必要な栄養ですが、とりすぎると体脂肪としてたまりやすくなります。
セットにすると一気に負担が増える
ハンバーガー単品なら、まだ調整しやすいです。
問題は、セットにしたときです。
ハンバーガーにポテトと甘いジュースをつけると、糖質、脂質、塩分が一気に増えます。
ポテトはじゃがいもなので野菜と思うかもしれません。しかし、油で揚げているため、脂質が多くなります。
甘いジュースには砂糖が多く含まれています。血糖値も上がりやすくなります。
つまり、
ハンバーガーポテト甘いジュース
この組み合わせは、太りやすい三点セットになりやすいのです。
血糖スパイクが起こりやすい
血糖スパイクとは、食後に血糖値が急に上がり、その後急に下がる状態のことです。
甘い飲み物や白いパン、ポテトなどを一緒にとると、食後の血糖値が急に上がりやすくなります。
血糖値が急に上がると、体はインスリンというホルモンをたくさん出して血糖値を下げようとします。
インスリンは大切なホルモンですが、余ったエネルギーを脂肪としてためやすくする働きもあります。
そのため、血糖スパイクをくり返す食生活は、内臓脂肪の増加、糖尿病、脂肪肝、動脈硬化につながる可能性があります。
「食後に眠くなる」「食べたあとにだるい」「すぐにまたお腹が空く」
こうした症状がある方は、食後の血糖変動が大きい可能性もあります。
食後の中性脂肪も上がりやすい
健康診断では、空腹時の中性脂肪を測ることが多いです。
しかし実際には、私たちは1日の多くの時間を「食後」の状態で過ごしています。
脂質の多い食事をとると、食後に中性脂肪が上がります。これを食後高脂血症といいます。
ハンバーガー、ポテト、チーズ、ベーコン、マヨネーズ系ソースなどは、食後の中性脂肪を上げやすい組み合わせです。
食後の中性脂肪が高い状態が続くと、血管に負担がかかり、動脈硬化が進みやすくなると考えられています。
特に、脂肪肝がある方、中性脂肪が高い方、糖尿病予備群の方、メタボ気味の方は注意が必要です。
野菜が入っていても、実は少ない
ハンバーガーにはレタスやトマトが入っていることがあります。
「野菜も入っているから大丈夫」と思う方もいるかもしれません。
しかし、実際の野菜の量はかなり少ないです。
サラダ1皿分の野菜にはなりません。
野菜が少ないと、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しやすくなります。
食物繊維が少ないと、血糖値が上がりやすくなったり、満腹感が続きにくくなったりします。
つまり、ハンバーガーに野菜が少し入っていても、それだけで「野菜をしっかり食べた」とは言いにくいのです。
飽和脂肪酸が多くなりやすい
ハンバーガーの肉、チーズ、ベーコン、バター系のソースには、飽和脂肪酸という脂が多く含まれやすいです。
飽和脂肪酸をとりすぎると、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールが上がりやすくなります。
LDLコレステロールが高い状態が続くと、血管の壁にコレステロールがたまり、動脈硬化が進みやすくなります。
動脈硬化が進むと、将来的に心筋梗塞や脳梗塞のリスクにつながることがあります。
脂質が全部悪いわけではありません。魚、ナッツ、オリーブオイルなどの脂は、体にとって大切なものです。
ただし、ハンバーガーは脂質の量が多くなりやすく、さらに飽和脂肪酸にかたよりやすい点に注意が必要です。
塩分も多くなりやすい
ハンバーガー、ポテト、ソース類には塩分も多く含まれています。
塩分をとりすぎると、血圧が上がりやすくなります。
高血圧は、脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎臓病のリスクになります。
特に高血圧の方、腎臓の機能が気になる方、むくみやすい方は注意が必要です。
味が濃い食事はおいしいですが、そのぶん塩分が多くなりやすいです。
早食いになりやすい
ハンバーガーは片手で食べられます。忙しいときにはとても便利です。
しかし、短い時間で食べ終わってしまいやすい食事でもあります。
早食いをすると、満腹を感じる前に食べすぎてしまいます。
また、血糖値も急に上がりやすくなります。
よく噛まずに短時間で食べることは、血糖スパイクや食べすぎにつながりやすく、体重増加の原因になります。
日本人はメタボになりやすい
日本人は、欧米人と比べると、少し太っただけでも糖尿病やメタボになりやすい人がいます。
理由のひとつは、インスリンを出す力があまり強くない人が多いからです。
欧米人はかなり太ってから糖尿病になることがあります。一方、日本人はそこまで太っていなくても、内臓脂肪が増えると血糖値、血圧、中性脂肪に影響が出やすいことがあります。
「そんなに太っていないから大丈夫」と思っていても、お腹まわりが出てきた方は注意が必要です。
内臓脂肪が増えると血管の病気につながる
内臓脂肪は、ただ体の中に脂肪がたまっているだけではありません。
内臓脂肪が増えると、血糖値、中性脂肪、血圧、コレステロールに悪い影響を与えやすくなります。
その結果、糖尿病、高血圧、脂質異常症、脂肪肝が起こりやすくなります。
これらが重なると、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管事故のリスクが高くなります。
特にメタボリックシンドロームは、見た目の問題ではなく、血管の病気を防ぐために注意が必要な状態です。
ハンバーガー、ポテト、甘い飲み物の組み合わせを日常的に続けると、内臓脂肪が増えやすくなります。
ファストフードで少しでも健康的に食べるには?
ハンバーガーを絶対に食べてはいけないわけではありません。
大切なのは、食べ方です。
おすすめは、次のような組み合わせです。
ハンバーガー単品+水ハンバーガー単品+お茶ハンバーガー単品+サラダチキン系バーガー+サラダポテトを食べるならSサイズ甘いジュースではなく無糖のお茶や水
一番避けたいのは、
ハンバーガーポテト甘いジュース
を毎回セットにすることです。
この組み合わせは、糖質、脂質、塩分が多くなりやすいです。
また、毎回ダブルパティ、ベーコン追加、チーズ追加、ソース多めにするのも注意が必要です。
食べるなら、まずは「ポテトを小さくする」「飲み物を無糖にする」だけでもかなり変わります。
食べた後に歩くことに意味はある?
食べた後に歩くことには意味があります。
特に、食後の軽い散歩は血糖値の急上昇をおさえる効果が期待できます。
食事をすると、血液の中の糖が増えて血糖値が上がります。
食後に歩くと、筋肉が糖を使ってくれます。そのため、血糖値が上がりすぎるのを防ぎやすくなります。
おすすめは、食後30分以内に10〜20分くらい軽く歩くことです。
激しい運動をする必要はありません。
少し遠回りして帰る。階段を使う。買い物ついでに歩く。
そのくらいでも意味があります。
糖尿病が気になる方、脂肪肝がある方、中性脂肪が高い方、メタボ気味の方には、食後の軽い歩行はおすすめです。
お酒とハンバーガーはよくない?
お酒とハンバーガーの組み合わせは、健康面ではあまりおすすめできません。
理由は、脂質、糖質、塩分、アルコールが重なりやすいからです。
ハンバーガーやポテトは、脂質と塩分が多くなりやすいです。
そこにビールや甘いお酒を合わせると、カロリーや糖質がさらに増えます。
また、お酒を飲むと食欲が増えやすくなります。
「ポテトも食べよう」「ナゲットも追加しよう」「もう1個食べよう」
となりやすいのです。
さらに、アルコールは肝臓で処理されます。脂肪肝や中性脂肪が気になる方は、特に注意が必要です。
どうしてもお酒と一緒に食べる場合は、
お酒は1杯程度にするポテトはつけない甘いお酒は避ける水も一緒に飲む夜遅い時間に食べない
といった工夫をしましょう。
ハンバーガーは「絶対ダメ」ではない
ハンバーガーを一生食べてはいけない、という話ではありません。
たまに楽しむくらいであれば、過度に心配する必要はありません。
問題は、食べる頻度と組み合わせです。
毎回ポテトと甘いジュースをつける。夜遅くに食べる。お酒と一緒にたくさん食べる。週に何回も食べる。
こうした習慣が続くと、血糖スパイク、食後の中性脂肪高値、内臓脂肪の蓄積につながりやすくなります。
逆に、
ポテトを小さくする飲み物を水やお茶にするサラダをつける食後に少し歩く
このような工夫をすれば、体への負担は減らせます。
ハンバーガーが不健康と言われる理由
まとめ
ハンバーガーは、材料だけを見ると悪くなさそうに見えます。
しかし、全体で見ると、糖質、脂質、塩分が多くなりやすい食事です。
また、野菜が少なく、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しやすいです。
肉、チーズ、ベーコン、ソースなどによって飽和脂肪酸も多くなりやすく、悪玉コレステロールが気になる方は注意が必要です。
さらに、ハンバーガー、ポテト、甘い飲み物の組み合わせは、血糖スパイクや食後の中性脂肪高値を起こしやすく、内臓脂肪の蓄積につながる可能性があります。
内臓脂肪が増えると、糖尿病、高血圧、脂質異常症、脂肪肝が起こりやすくなります。これらが重なると、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管事故のリスクが高くなります。
特に日本人は、強い肥満でなくても、内臓脂肪が増えると血糖値、血圧、中性脂肪に影響が出やすい体質の方がいます。
ハンバーガーを食べるなら、
単品にする飲み物は水やお茶にするポテトは控えめにする食後に少し歩く
このあたりを意識するとよいでしょう。
浅川クリニックでは、高血圧、脂質異常症、糖尿病、脂肪肝、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病について、食事や生活習慣の相談も行っています。
健康診断で血糖値、コレステロール、中性脂肪、血圧、腹囲などを指摘された方は、お気軽にご相談ください。
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