「舞茸(マイタケ)」は、食べると踊り出すキノコ?おいしいキノコと毒キノコの話

以前、ゆで太郎に「肉舞茸そば」というメニューがありました。
甘辛い豚肉とマイタケがそばによく合って、個人的にはかなり好きなメニューでした。いつの間にか販売が終わってしまい、少し残念に思っています。
マイタケは、天ぷらでも、炊き込みご飯でも、鍋に入れてもおいしいキノコです。
ところで、「舞茸」という名前を見ていると、
「食べた人が毒でおかしくなって、踊り出すから舞茸なのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
実際には、スーパーで売られているマイタケに、人を踊らせるような毒はありません。
ただ、野山には本当に幻覚を起こすキノコや、命に関わる毒キノコが生えています。

なぜ「舞茸」という名前なのか
マイタケの名前の由来には、いくつかの説があります。
よく知られているのは、昔は天然のマイタケがとても珍しく、見つけた人が喜んで舞い踊ったという説です。
もう一つは、薄い傘が何枚も重なった姿が、蝶や人が舞っているように見えたという説です。
少なくとも、現在食べられているマイタケが、幻覚を起こして人を踊らせるために「舞茸」と呼ばれたわけではなさそうです。
スーパーのマイタケも生では食べない
スーパーで売られている栽培マイタケは、毒キノコではありません。
ただし、生のまま食べるのは避けた方がよいでしょう。
食用キノコでも、生や加熱不足の状態では、腹痛、下痢、吐き気、胃のむかつきなどが起こることがあります。
炒める、煮る、揚げるなどして、全体にしっかり火を通してください。
また、キノコは食物繊維が多いため、一度にたくさん食べると、お腹が張ったり、便がゆるくなったりすることもあります。
毒キノコではないからといって、どんな食べ方をしても大丈夫というわけではありません。
本当に幻覚を起こすキノコもある
キノコの中には、食べると幻覚や意識の変化を起こすものがあります。
いわゆる「マジックマッシュルーム」です。
幻覚成分であるシロシビンやシロシンを含み、食べると幻覚、混乱、不安、しびれなどが起こることがあります。
以前は「合法ドラッグ」と呼ばれた時期もありましたが、現在の日本では合法ではありません。
シロシビンやシロシンを含むキノコは麻薬として規制されており、一般の人が所持したり、使用したり、栽培したりすることは違法です。
自然に生えているから、自由に採ってよいということでもありません。
毒キノコの症状は幻覚だけではない
毒キノコというと、幻覚を起こすものを思い浮かべるかもしれません。
しかし、実際には激しい嘔吐や下痢を起こすもの、呼吸が苦しくなるもの、肝臓や腎臓を傷つけるものなど、さまざまです。
中には、食べてすぐには症状が出ず、数時間以上たってから具合が悪くなるキノコもあります。
一度、吐き気や腹痛が軽くなったように見えても、その後に肝臓や腎臓の障害が進むこともあります。
「食べてからしばらく何ともなかったから大丈夫」とは限りません。
見た目だけでの判断は危険
毒キノコには、食用キノコとよく似たものがあります。
本やインターネットの写真と見比べただけで、安全と判断するのは危険です。
キノコは、生えている場所や育ち方によって、色や形がかなり変わります。
また、昔から次のような話があります。
「派手な色のキノコだけが毒である」「地味なキノコは食べられる」「虫が食べているキノコは安全」「縦に裂けるキノコは食べられる」「ナスと一緒に煮れば毒が消える」
残念ながら、どれも安全を判断する方法にはなりません。
毒キノコの中には、焼いても、煮ても、揚げても毒が残るものがあります。

山だけでなく、公園や庭にも生える
毒キノコは、山奥にだけ生えるものではありません。
公園、道端、学校の敷地、自宅の庭などに生えることもあります。
北海道のキノコのハンドブックにも、嘔吐や下痢を起こすキノコ、幻覚を起こすキノコ、肝臓や腎臓を傷つけるキノコなどが掲載されています。最後には、知らないキノコは「採らない、食べない、人にあげない」と書かれています。
特に小さなお子さんは、庭や公園に生えたキノコを珍しがって、手に取ったり口に入れたりすることがあります。
見つけても、食べないように注意してください。
人からもらったキノコにも注意
毒キノコによる食中毒は、自分で採った場合だけではありません。
「キノコに詳しい人からもらった」「毎年食べていると言われた」「昔からこの地域では食べている」
という場合でも、間違いが起こることがあります。
採った人が見分けを間違えていれば、もらった人も中毒になります。
せっかくもらったものでも、種類が確実に分からなければ食べない方が安全です。
食べたあとに具合が悪くなったら
野生のキノコを食べたあとに、腹痛、嘔吐、下痢、めまい、しびれ、幻覚、意識の変化などが出た場合は、早めに医療機関へ相談してください。
その際、食べ残したキノコや調理前のキノコ、撮影した写真などが残っていれば、捨てずに保管しておきます。
何時ごろ、どのくらい食べたのか、一緒に食べた人がいるかどうかも大切な情報です。
意識がおかしい、呼吸が苦しい、けいれんしている、何度も吐いてぐったりしている場合は、救急要請が必要です。
舞茸(マイタケ)と毒キノコの話
まとめ
スーパーで売られているマイタケは、しっかり加熱すれば、おいしく食べられます。
一方、野山や公園に生えているキノコは、見た目だけで安全かどうかを判断できません。
覚えておきたいのは、
知らないキノコは、採らない。食べない。人にあげない。
ということです。
秋はキノコがおいしい季節ですが、野生のキノコについては、少し慎重なくらいがちょうどよいと思います。
浅川クリニック 内科・世田谷
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