花粉症の飲み薬 強さランキング|抗ヒスタミン薬の特徴と選び方を医師が解説

更新日:8月15日
花粉症の季節になると、
「結局、どの薬が一番強いの?」
「眠くなりにくくて、よく効く薬はどれ?」
「ベポタスチンとレボセチリジンでは、どちらが強い?」
と迷う方は多いと思います
。
花粉症の飲み薬にはたくさんの種類がありますが、医学的に決められた絶対的な「強さランキング」があるわけではありません。
薬によって、
効果の感じ方
眠気
効果が続く時間
1日の服用回数
食事の影響
鼻水・くしゃみ・鼻づまりのどれが強いか
などが違うからです。
とはいえ、患者さんからすると「結局どれが強いの?」というのが一番知りたいところでしょう。
そこで今回の浅川クリニックのブログでは、実際の診療経験と、それぞれの薬の特徴、効果と眠気のバランスをもとに、花粉症の飲み薬をランキング形式で紹介します。
※ランキングは医学的に確立された順位ではありません。
※薬の効果や副作用には個人差があります。
※妊娠中・授乳中の方、腎機能や肝機能に問題がある方、ほかの薬を服用している方は医師に相談してください。

1位 アレロック(オロパタジン)
特徴
第2世代の抗ヒスタミン薬です。
花粉症による、
鼻水
くしゃみ
鼻のかゆみ
などに使われます。
効果をしっかり感じる方が多く、症状が強い方に使用されることも多い薬です。
一方で、眠気が出やすいことが弱点です。
添付文書でも眠気への注意があり、服用中は自動車の運転など危険を伴う機械操作を避けるよう記載されています。
成人では通常、朝と就寝前の1日2回服用します。
向いている人
花粉症の症状がかなり強い方
鼻水やくしゃみをしっかり抑えたい方
眠気が多少出ても問題になりにくい方
「効き目を優先したい」タイプの方に使いやすい薬です。
2位 デザレックス(デスロラタジン)
特徴
デザレックスも第2世代抗ヒスタミン薬です。
成人では通常、1日1回5mgを服用します。
大きな特徴は、
効果と眠気のバランスがよいこと。
日中に仕事や勉強をする方でも使いやすく、1日1回なので飲み忘れが少ないというメリットもあります。
ランキングでは2位としていますが、
「日中の使いやすさまで含めると、かなり優秀な薬」
という印象です。
向いている人
眠気をできるだけ避けたい方
1日1回の薬がよい方
日中に仕事や勉強をする方
花粉症の症状もしっかり抑えたい方
3位 ビラノア(ビラスチン)
特徴
ビラノアも第2世代抗ヒスタミン薬です。
眠気が比較的少なく、日中に活動する方には使いやすい薬です。
成人では通常、1日1回20mgを空腹時に服用します。
ここがビラノアの大切なポイントです。
食事の影響を受けるため、
食後に何となく飲む薬ではありません。
「朝起きてすぐ飲む」
「寝る前の空腹時に飲む」
など、生活の中で飲むタイミングを決めておくと使いやすくなります。
向いている人
眠気をなるべく避けたい方
日中に運転や仕事をする方
1日1回がよい方
空腹時の服用を守れる方
4位 ザイザル(レボセチリジン)
特徴
ザイザルは第2世代抗ヒスタミン薬で、効果をしっかり感じる方が多い一方、眠気には注意が必要なタイプです。
成人では通常、レボセチリジンとして5mgを1日1回、就寝前に服用します。
そのため、
「昼間に眠くなるのは困るけれど、夜に飲むなら大丈夫」
という方には使いやすい薬です。
一方、腎機能によって用量調整が必要になる場合があります。
向いている人
症状が強めの方
夜に薬を飲みたい方
多少の眠気よりも効果を重視したい方
5位 タリオン(ベポタスチン)
特徴
「ベポタスチンは強いですか?」
という質問も多くあります。
タリオンの成分がベポタスチンベシル酸塩です。
第2世代抗ヒスタミン薬で、花粉症の鼻水・くしゃみなどに幅広く使われています。
効果は比較的しっかりしていますが、眠気が出る方もいます。
そのため、
強さだけなら比較的上位、眠気まで含めると中間くらい
という位置づけで、今回は5位としています。
向いている人
花粉症症状をしっかり抑えたい方
他の抗ヒスタミン薬で効果が弱かった方
多少の眠気が問題にならない方
6位 アレグラ(フェキソフェナジン)
特徴
アレグラは非常によく使われる第2世代抗ヒスタミン薬です。
最大のメリットは、
眠気が比較的出にくいこと。
仕事や勉強、自動車の運転など、日中の活動への影響をできるだけ少なくしたい方に使いやすい薬です。
一方、
「とにかく一番強い薬がほしい」
という方にとっては、アレロックやザイザルなどの方が効いたと感じることもあります。
向いている人
眠気をできるだけ避けたい方
車を運転する方
仕事や勉強への影響を避けたい方
軽症〜中等症の方
7位 ルパフィン(ルパタジン)
特徴
ルパフィンも第2世代抗ヒスタミン薬です。
ヒスタミンだけでなく、PAF(血小板活性化因子)という炎症に関係する物質に対する作用も持つのが特徴です。
花粉症だけでなく、蕁麻疹などにも使われます。
一方で、眠気が出ることがあります。
そのため、
効き目は期待できるものの、眠気とのバランスを考えて選ぶ薬
という位置づけです。
向いている人
花粉症症状が強い方
他の薬で十分な効果を感じなかった方
眠気が問題になりにくい方
番外編 セレスタミン
セレスタミンは、
ベタメタゾンというステロイド
と、
d-クロルフェニラミンという抗ヒスタミン薬
を組み合わせた薬です。
確かに効き目は強い薬です。
しかし、
「強いから花粉症に一番いい薬」というわけではありません。
ステロイドが入っているため、長期間使用すると、
血糖値上昇
感染症
骨粗しょう症
副腎機能への影響
など、全身性ステロイド特有の副作用が問題になります。
また、抗ヒスタミン成分による眠気にも注意が必要です。
そのため、
重い症状に対して、医師が必要性を判断したうえで短期間使用する薬
と考えた方がよいでしょう。
花粉症だからといって、毎シーズン長期間使い続ける薬ではありません。
ベポタスチンとレボセチリジンはどちらが強い?
ベポタスチンはタリオン。
レボセチリジンはザイザルです。
今回のランキングでは、
ザイザル4位、タリオン5位
としています。
ただし、
「ザイザルの方が必ず効く」
という意味ではありません。
抗ヒスタミン薬は、人によって効き方がかなり違います。
タリオンの方がよく効く方もいますし、ザイザルの方がよく効く方もいます。
また、眠気の出方にも個人差があります。
したがって、
ランキングは薬を選ぶ入り口にはなりますが、最後は自分との相性です。
モンテルカストは花粉症薬の強さランキングでは何位?
モンテルカストは今回のランキングには入れていません。
なぜなら、
そもそも抗ヒスタミン薬ではないからです。
モンテルカストはロイコトリエン受容体拮抗薬という別のタイプの薬です。
特に、
鼻づまりが強い
抗ヒスタミン薬だけでは不十分
気管支喘息を合併している
といった場合に使用されることがあります。
つまり、
アレロックとモンテルカストのどちらが強いか?
という比較そのものが少し違います。
症状によっては、抗ヒスタミン薬とモンテルカストを組み合わせて使うこともあります。
抗ヒスタミン薬は「強い薬」を選べばいいわけではない
花粉症治療で重要なのは、
一番強い薬を選ぶことではありません。
例えば、
「鼻水はかなり出るけれど、仕事で毎日車を運転する」
という方なら、多少効果が弱く感じても眠気の少ない薬の方が適しているかもしれません。
逆に、
「夜になると鼻水とくしゃみがひどくて眠れない」
という方なら、多少眠気が出る薬がむしろ使いやすい場合があります。
大切なのは、
症状と生活スタイルに合わせて選ぶことです。
鼻づまりがひどいなら、飲み薬だけでは足りないことも
花粉症というと飲み薬をイメージする方が多いですが、治療はそれだけではありません。
特に鼻づまりが強い場合には、
鼻噴霧用ステロイド薬
が重要な治療になります。
また、
目の症状が強ければ点眼薬
鼻づまりが強ければ点鼻薬や抗ロイコトリエン薬
長期的に花粉症そのものを改善したい場合には舌下免疫療法
など、症状によって治療を組み合わせます。
「飲み薬をどんどん強くする」
だけが花粉症治療ではありません。
眠くなりにくい花粉症の薬は?
日中の眠気を特に避けたい方では、
デザレックス
ビラノア
アレグラ
などが選択肢になります。
一方、
アレロック
ザイザル
タリオン
ルパフィン
などでは眠気を感じる方もいます。
ただし、眠気の感じ方にはかなり個人差があります。
同じ薬でも、
「全然眠くならない」
という方もいれば、
「かなり眠くなる」
という方もいます。
初めて使う薬では、特に注意してください。
花粉症の薬はいつから飲めばいい?
花粉が大量に飛び始めて、
「鼻水が止まらない!」
となってから治療を始めるよりも、
花粉が本格的に飛び始める少し前から治療を開始する
方法があります。
これを初期療法といいます。
季節性アレルギー性鼻炎では、好発季節を考えてその直前から治療を開始することが望ましいとされている抗ヒスタミン薬もあります。例えばオロパタジンの添付文書にも、その旨が記載されています。
毎年花粉症がひどくなる方は、
症状が爆発してから病院に行くのではなく、少し早めに相談する
のがおすすめです。
花粉症の飲み薬 強さランキング
花粉症の薬は結局どれが一番いい?
結論として、
全員にとって一番いい薬はありません。
今回の花粉症の飲み薬強さランキングでは、
1位 アレロック2位 デザレックス3位 ビラノア4位 ザイザル5位 タリオン6位 アレグラ7位 ルパフィン
としました。
しかし、
「強さ=その人にとって最高の薬」ではありません。
効果、眠気、生活スタイル、服用回数、症状のタイプを考えて選ぶことが大切です。
例えば、
効き目重視ならアレロックやザイザル
効果と眠気のバランスならデザレックスやビラノア
日中の眠気をできるだけ避けたいならアレグラ
といった考え方ができます。
また、抗ヒスタミン薬だけで十分に改善しない場合は、薬をさらに「強く」するのではなく、点鼻薬や点眼薬、モンテルカストなどを組み合わせた方がよい場合もあります。
花粉症の症状や薬の効き方には個人差があります。
毎年同じ薬をなんとなく飲み続けるのではなく、
「今年の薬、本当に自分に合っているかな?」
と一度見直してみてもよいでしょう。
浅川クリニックでは、症状や生活スタイルに合わせた花粉症治療のご相談を受け付けています。
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