フィナステリドとデュタステリドの違いは?AGA治療での使い分けと副作用

「薄毛の薬には2種類あるけれど、どちらを選べばいいの?」
「デュタステリドの方がよく効くなら、最初からそちらでいいのでは?」
AGA(男性型脱毛症)の治療を調べると、フィナステリドとデュタステリドという薬が出てきます。
どちらも効果が認められている治療薬ですが、平均的にはデュタステリドの方が、毛髪数や太さの改善効果が高いことが示されています。ただし、全員にデュタステリドが最適というわけではありません。
今回の浅川クリニックのブログでは、2つの薬の違いと、どのように使い分けるのかを解説します。

まず、どちらも「薄毛の原因に働きかける薬」
AGAでは、男性ホルモンから作られる「DHT(ジヒドロテストステロン)」が、髪の成長する期間を短くします。その結果、髪が十分に太く長く育つ前に抜けてしまい、少しずつ薄毛が進みます。
フィナステリドとデュタステリドは、どちらもDHTが作られるのを抑える薬です。薄毛の進行を抑えるだけでなく、細くなった髪の改善も期待できます。日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、男性のAGAに対して、両方とも「行うよう強く勧める治療」に位置づけられています。
フィナステリドとデュタステリドの主な違い
DHTを作る酵素には「Ⅰ型」と「Ⅱ型」があり、フィナステリドは主にⅡ型を、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を抑えます。
比較するポイント | フィナステリド | デュタステリド |
代表的な先発薬 | プロペシア | ザガーロ |
抑える酵素 | 主にⅡ型 | Ⅰ型とⅡ型 |
国内で承認されている用量 | 通常0.2mg、必要に応じて1mgまで | 通常0.1mg、必要に応じて0.5mg |
服用回数 | 1日1回 | 1日1回 |
効果判定の目安 | 通常6か月 | 通常6か月 |
用量は医師が状態に合わせて決めます。薬が違うため、「0.5mgより1mgの方が強い」という比較はできません。
発毛効果はデュタステリドの方が高い傾向
AGAの男性917人を複数の治療群に分けた比較試験では、24週間の治療後、デュタステリド0.5mgはフィナステリド1mgよりも、測定した範囲の毛髪数や太さを改善しました。
ただし、これは集団として比較した結果です。「デュタステリドなら必ず見た目が大きく変わる」「フィナステリドでは生えない」という意味ではありません。
結局、どう使い分ければいい?
フィナステリド:初めての治療や、今の状態を維持したい場合の選択肢
初めてAGA治療を始める方にとって、フィナステリドは有力な選択肢です。
また、すでに服用していて薄毛の進行が抑えられ、副作用にも困っていなければ、「もっと強い薬があるから」という理由だけで変更する必要はありません。
AGA治療では、髪が増えることだけでなく、薄毛が進まないことも大切な効果です。フィナステリドの承認された効能も「男性型脱毛症の進行遅延」とされています。
デュタステリド:効果が不十分な場合や、より高い改善効果を目指す場合の選択肢
フィナステリドを適切に続けても薄毛が進む場合や、改善が不十分な場合には、デュタステリドへの切り替えを検討します。
また、薄毛の状態や本人の希望、副作用のリスクなどを踏まえて、最初からデュタステリドを選ぶこともあります。「必ずフィナステリドから始める」という決まりはありません。
両方とも推奨されている治療であり、比較試験ではデュタステリドの方が高い改善効果を示していることを踏まえ、個別に選択するという考え方です。
1〜2か月で「効かない」と判断しない
どちらの薬も、飲んですぐに髪が増えるわけではありません。早ければ3か月程度で変化がみられることもありますが、効果を判断するには、通常6か月程度の継続が必要です。
一方、6か月続けても効果が確認できない場合は、そのまま漫然と続けず、治療を見直します。飲み忘れの有無や、そもそもAGA以外の脱毛ではないかも確認が必要です。
変化を確認するためには、同じ照明・角度・髪型で定期的に写真を撮り、診察時に比較する方法がおすすめです。
副作用はどちらの方が強い?
起こり得る副作用には共通点が多い
どちらの薬でも、性欲の低下、勃起しにくくなる、射精の変化などが報告されています。また、乳房の痛みや腫れ、肝機能障害などにも注意が必要です。
ただし、「デュタステリドの方がよく効くから、副作用も必ず強い」とは言い切れません。
前述の24週間の比較試験では、有害事象の数や重さは治療群間で同程度でした。ただし、比較的短い試験なので、まれな副作用や長期間服用した場合の違いまで、すべて分かるわけではありません。
大きな違いは「薬が体に残る時間」
血液中の薬の濃度が半分になるまでの時間を「半減期」といいます。
フィナステリドは約4時間ですが、デュタステリドは継続服用した場合、数週間単位です。つまり、**デュタステリドは中止しても、薬が体から減っていくまでに時間がかかります。**この違いも、薬を選ぶ際の判断材料になります。
ただし、半減期は「副作用が治るまでの時間」ではありません。両方の薬で、中止後も性機能の症状が続いたという報告があります。「やめれば翌日には必ず元に戻る」とは考えず、変化があれば処方医に相談してください。
気分の落ち込みにも注意
特にフィナステリドでは、抑うつや「死にたいと感じる気持ち」に関する注意喚起があります。うつ病の治療歴がある方は、服用前に医師へ伝えてください。
フィナステリド服用中に気分の落ち込みなどが現れた場合は、服用を中止して速やかに医師へ相談してください。デュタステリドでも、同様の気分の変化があれば相談が必要です。
妊活中・持病がある方は、選ぶ前に相談を
妊活中は「どちらなら絶対に安心」とは言えない
フィナステリドでは精液の質の低下などが、デュタステリドでは精子数・精液量・精子の運動率の低下などが報告されています。
ただし、服用したら必ず不妊になるということではありません。子どもを希望している方、妊活中の方、不妊治療を受けている方は、治療開始前に相談してください。必要に応じて、服用の継続や休薬について検討します。
肝臓の病気や、ほかの薬の服用も伝える
両方とも主に肝臓で処理される薬です。特にデュタステリドは、重い肝機能障害がある方には使用できません。また、併用薬によって血中濃度が上がる場合があります。
健診で肝機能の異常を指摘された方や、ほかの薬を服用している方は、お薬手帳や検査結果を持参してください。
2種類を一緒に飲めば、もっと効く?
自己判断でフィナステリドとデュタステリドを一緒に飲むことは避けてください。作用が重なる薬であり、2種類を併用して効果を上乗せする方法は、標準的な治療として確立していません。
効果が不十分な場合は、薬の切り替えに加えて、作用の異なるミノキシジル外用薬を組み合わせるか検討します。日本皮膚科学会のガイドラインでは、男性のAGAに対する5%ミノキシジル外用も、強く推奨される治療です。
服用中に忘れやすい注意点
前立腺の検査では、服用していることを伝えましょう。
どちらも、前立腺がんの検査に使われる「PSA」の数値を下げます。健診や人間ドックでPSAを測る際は、検査を担当する医師に薬の名前を伝えてください。
献血には制限があります。
服用中は献血できません。
中止後も、フィナステリドは1か月間、デュタステリドは6か月間、献血を控える必要があります。
女性や子どもと薬を共有しないでください。
両剤とも男性のAGAに使う薬で、20歳未満での安全性・有効性は確立していません。
また、妊娠中の方などが、砕けたフィナステリド錠や、デュタステリドのカプセルから漏れた薬に触れないよう注意してください。
まとめ
効果が出ているなら継続、不十分なら見直す
フィナステリドとデュタステリドは、どちらもAGA治療の有力な選択肢です。
フィナステリドで進行が抑えられ、副作用にも困っていなければ、そのまま継続するという考え方があります。十分に続けても効果が不十分な場合や、より高い改善効果を目指す場合には、デュタステリドを検討します。ただし、最初からデュタステリドを選ぶことも可能です。
大切なのは、単に「強い方」を選ぶことではありません。薄毛の状態、治療で目指したいこと、副作用、妊活の予定などを踏まえて、続けられる治療を医師と一緒に選んでいきましょう。

浅川クリニックでのAGA治療と料金
浅川クリニックでは、国内で承認されているフィナステリドとデュタステリドを取り扱っています。薄毛の状態やこれまでの治療歴、ご希望などを確認しながら、治療薬を選択します。AGA治療は、保険適用外の自費診療です。
フィナステリド・デュタステリドの料金
治療薬 | 処方日数 | 薬代(税込) |
フィナステリド錠1mg | 28日分 | 3,800円 |
デュタステリドカプセル0.5mg | 30日分 | 4,000円 |
※フィナステリドとデュタステリドでは、上記料金に含まれる処方日数が異なります。
薬代とは別に、初診料3,000円、再診料1,000円(税込)がかかります。オンライン診療の場合は、別途通信費500円(税込)が必要です。
例えば、初診時の薬代と診察料の合計は、フィナステリド28日分で6,800円、デュタステリド30日分で7,000円です。オンライン診療の通信費などは含みません。
どちらを選ぶか迷っている方もご相談ください
「初めてAGA治療を始めたい」「今の治療薬を続けるか相談したい」という方も、お気軽にご相談ください。
当院では、対面診療に加えてオンライン診療にも対応しています。治療内容や注意点は診療案内ページをご覧ください。
※料金は2026年9月確認時点のものです。最新の料金・診療内容は、診療案内ページをご確認ください。
浅川クリニック 内科・世田谷
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