熱中症は夜や室内でも起こります|予防のためには飲酒と朝食抜きに注意
- 浅川貴介 | 浅川クリニック副院長 | 総合内科専門医・腎臓専門医・医学博士
- 23 時間前
- 読了時間: 6分
こんにちは。浅川クリニックです。
熱中症予防というと、
「水を飲みましょう」「塩分を取りましょう」
という話をよく聞きます。
もちろん、水分補給は大切です。
でも、近年のような酷暑では、水を持っているだけ、塩飴をなめているだけでは十分とはいえません。
熱中症は、日中に炎天下で運動した人だけがなるものではありません。
室内でも、夜でも、普通に生活している人でも起こります。

夜になっても、街はすぐには涼しくなりません
「日が沈んだから、もう大丈夫」
と思っていませんか?
真夏の道路や建物は、昼間にたくさんの熱をため込んでいます。
特に繁華街では、アスファルトやコンクリート、建物、室外機などから熱が出続けます。
夜になって気温が少し下がっても、地面の近くには熱が残っています。
人が多く、風が通りにくい場所では、夜でもかなり暑く感じることがあります。
夕方や夜に行われるイベントでも、熱中症への注意が必要です。環境省も、夜間のイベントだから安全とは限らないとして対策を求めています。
お酒を飲んだあとは、特に注意してください
夏は、ビアガーデン、飲み会、夏祭りなど、お酒を飲む機会が増えます。
しかし、お酒を飲んだあとは熱中症になりやすくなります。
アルコールには尿を増やす作用があり、体から水分が失われやすくなります。
さらに、酔っていると、
「暑い」「気持ちが悪い」「ふらふらする」「頭が痛い」
といった症状を、単なる酔いだと思ってしまうことがあります。
環境省の熱中症マニュアルでも、飲酒は脱水を招き、熱中症の危険を高める要因として挙げられています。
飲酒後に歩いて帰る場合は、特に注意が必要です。
夜でも暑い繁華街を歩き、汗をかき、酔いのために体調の変化にも気づきにくくなるからです。
お酒を飲んだあとは、
水も一緒に飲む
長時間歩かない
暑い場所にとどまらない
帰宅後も室温を涼しくする
深酒をしない
ことを意識しましょう。
熱中症は、自分では気づきにくい病気です
熱中症の怖いところは、本人が気づかないまま悪化することです。
最初は、
「少し疲れた」「寝不足かな」「二日酔いかな」「夏バテかな」
という程度に感じることがあります。
周りから見ても、単に元気がないだけに見えるかもしれません。
厚生労働省も、熱中症は自分では気づきにくいことがあるとして、体調の変化に注意するよう呼びかけています。
「自分は丈夫だから大丈夫」「毎年平気だったから大丈夫」
という考えも危険です。
暑さの程度、睡眠時間、食事、飲酒量、その日の体調は、毎日違います。
今まで熱中症になったことがない人でも、その日はなるかもしれません。
熱中症予防では、朝ごはんが大切です
朝食を食べることも、立派な熱中症対策です。
朝ごはんを食べると、
飲み物や汁物から水分が取れる
ご飯やパンから炭水化物が取れる
味噌汁やおかずから塩分が取れる
一日の活動に必要なエネルギーが補給できる
という利点があります。
寝ている間にも、呼吸や汗によって水分は失われています。
朝食を抜いて、水分も十分に取らないまま外出すると、最初から体の準備が不十分な状態で暑さにさらされることになります。
厚生労働省も、朝食を食べていないこと、睡眠不足、体調不良、前日の飲酒などは、熱中症の発症に影響する可能性があるとしています。
塩飴よりも、まず普通の食事を
熱中症対策として、塩飴を持ち歩いている方もいると思います。
塩飴が悪いわけではありません。
長時間の運動や屋外作業などで大量に汗をかいたときには、塩分補給が役立つことがあります。
しかし、普通に食事を取れている人が、日常生活の中で塩飴だけを何個も食べる必要はありません。
まず大切なのは、
朝ごはんを食べることです。
例えば、
おにぎりと味噌汁
パンと卵と牛乳
ご飯と納豆
うどんと卵
バナナとヨーグルトと飲み物
など、簡単なもので構いません。
朝食を取れば、水分、塩分、炭水化物などをまとめて補うことができます。
塩飴はあくまで補助です。
塩飴をなめたから朝食を抜いてよい、ということではありません。
また、高血圧、心臓病、腎臓病などで塩分制限を受けている方は、自己判断で塩分を増やさず、主治医の指示を優先してください。
睡眠不足と深酒を避けましょう
熱中症対策は、暑くなってから始めるものではありません。
前の晩から始まっています。
睡眠不足の日は、体調が整わず、暑さによる負担を受けやすくなります。
深酒をした翌日は、脱水や寝不足が重なっている可能性があります。
暑い時期だけでも、
夜更かしを減らす
深酒を控える
朝食を食べる
外出前に水分を取る
ことを意識しましょう。
厚生労働省も、熱中症予防では睡眠、食事、アルコールを含めた生活習慣が重要だとしています。
室内にいても熱中症になります
熱中症は屋外だけで起こるものではありません。
冷房を使っていない部屋、風通しの悪い部屋、夜になっても室温が下がらない部屋では、室内でも熱中症になることがあります。
厚生労働省や環境省も、屋内ではエアコンなどを適切に使い、涼しい環境で過ごすよう呼びかけています。
特に、
高齢者
小さな子ども
一人暮らしの方
発熱や下痢がある方
食事が十分に取れていない方
前日に飲酒した方
には、周りの人から声をかけることも大切です。
こんな変化があったら、まず涼しい場所へ
次のような症状がある場合は、熱中症の可能性があります。
めまい
立ちくらみ
頭痛
吐き気
強いだるさ
足がつる
汗が止まらない
反応がおかしい
まっすぐ歩けない
まず、エアコンの効いた室内など、涼しい場所に移動してください。
衣服をゆるめ、首、わきの下、足の付け根などを冷やします。
意識がはっきりしていて、自分で飲める場合は、水分や経口補水液などを少しずつ飲みます。
呼びかけへの反応がおかしい、自分で水分を飲めない、けいれんがあるなどの場合は、すぐに救急車を呼んでください。
まとめ
熱中症は、昼間の屋外だけで起こるものではありません。
夜の繁華街でも、室内でも、飲酒後でも起こります。
そして本人も周囲も、初期の変化に気づかないことがあります。
熱中症予防で大切なのは、単に水や塩飴を用意することだけではありません。
十分に眠る
深酒を控える
朝ごはんを食べる
外出前から水分を取る
夜でも暑さを甘く見ない
室内ではエアコンを我慢しない
自分と周囲の体調を気にかける
ことが重要です。
「自分は大丈夫」と思わず、少なくとも暑さが続く今の時期だけは、熱中症をしっかり意識して生活しましょう。
浅川クリニック 内科・世田谷
〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目3−8
